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ShuzokuTouitsuJournal

種族統一論文とりまとめ用

私の種族統一経歴と観念

ムウマ統一 紳士のチイセ

1.なぜムウマだったのか

単純明快である.ムウマというポケモンに一目ぼれしたからに他ならない.

ムウマの初出はポケットモンスター金・銀なのだが,ジョウト地方周回中には一切出て来ず,クリア後カントー地方に踏み出し,バッジを16コ取得したうえで挑むことができるようになる隠しダンジョンの要素をもった「シロガネやま」でようやく出現するのである.そして,「シロガネやま」登頂の道中で初めて出くわしたときその怪しさと怖さ(攻略本など持っていなかったため公式絵も知らず今のように洗練された絵柄でもなかったため可愛いといった印象ではなかった)を感じさせる風貌と,前述したレアリティさに小学生であった私はたまらなく惹かれたのであった.

ポケットモンスタールビー・サファイアでは私のクラスメイトの中でいち早くクリアした(今でいうフライングゲットした)友人からムウマは出て来ないと告げられ,痛く落胆し泣く泣くポケモンから離れたのだが,ポケットモンスターファイアレッド・リーフグリーンのリーフグリーンの方でクリア後ムウマが出てくると友人に聞かされ即復帰,頼み込んでムウマを譲ってもらい,たびたび反抗されながらもリーフグリーンをクリアしたことは今でも鮮明に覚えている.

ポケットモンスターダイヤモンド・パールでは幸いパールを選びプレイ,「ハクタイのもり」にてムウマと出くわし『あっクリア前に出てくるんやな』と感動した.そして,進んでいくうちにあることに気づき衝撃を受けた.「やみのいし」で進化できてしまうのだ.このことに私はとんでもない憤りを感じた.無性に怒りを覚えた.それまでのシリーズで無進化だったものが後付で進化しますなぞ意味が分からなかったし,何よりもムウマと一緒に戦って苦戦した記憶は毛頭なかったし,対戦におけるやり込み要素として登場したポケットモンスターエメラルドの「バトルフロンティア」でも十分戦えたからである.こうして私は意固地なまでに進化に対して懐疑を抱いた.

2.種族統一との出会い

なんとかして進化しなくてもよかったのにと喧伝できないかと思案していたある日,一つの作品が世に登場したのだった.ポケモンバトルレボリューションである.この作品は名前の通り対人対戦を大きく変えた革命であった.それまでのポケットモンスターにおける対人対戦は兄弟や従兄弟,友人と言った小さなコミュニティ内で,休みの日などに通信ケーブルのある家に集合し,かつ,ケーブルを回しあい代わり番こでなければできない限られたものだった.ダイヤモンド・パールでネット通信ができるようになったとはいえ,やはり「ともだちコード」を交換したごく限られた人との対戦に止まっていた.そんな窮屈な対人対戦を解き放ったのがバトルレボリューションである.この作品はWi-Fi接続を利用したネット通信でランダムに相手とマッチングし対戦できる.「ともだちコード」を介さず対戦でき,レベル50フラット以外のルールは存在せず,誰でもどんなパーティでもよく,ポケモンを重複させても,道具を重複させても,どんな戦術をとってもよかったのである.ある種無秩序状態であったといえる.が,この状態こそが自由奔放な対戦を実現し,ポケモンバトルにおける黎明期成り得たのだと私は考えるのである.

さて,私も当然この対戦環境に飛び込んだのだが,当時の私には種族統一,つまりポケモンを重複させるという驚天動地な発想はなく,所謂ガチパといわれるものにムウマをとってつけたように入れたパーティ(あまり記憶がないのでパーティ構成に関しては割愛させていただく)で『ムウマのまんまで戦える』という喧伝活動を為すためにランダム対戦へと繰り出したのであった.

だがしかし,如何に自分のパーティで快進撃しよう(自分の筆で自惚れるのもいかがかと思うが敢えて誇張させていただく)とも,主旨を為し得ているとは到底思えず悶々としながら対戦していた.そんな中運命的な出会いを果たす.そう,種族統一に出くわしたのである.ポケモン名を出すとどなたかということが特定できてしまうので大変申し訳ないが伏せさせて頂くとして,とにかくこの統一に圧倒されて負けた.これがどうした悔しいというより,すがすがしかったのである.なぜならば『愛の示し方にこんな方法があったんやな』としみじみ思い知らされ,自分のもやもやしたものに筋の通った答えが得られた瞬間だったからである.そして,私もやってみたいと心の底から思った.

これはすぐさま実行せねばと思い立ち,ムウマだけを残して今まで使っていたパーティのポケモンたちとおさらばした.野に帰したのだ.今思えばそこまでしなくてもと笑えてくるのだが,当時は『そうしなければ今まで共に戦ってきたパーティに対して未練が残る.そうするとムウマだけのパーティを組むことをためらってしまう』と考えていたからである.過去の自分とこれからの自分を区別する意味合いもあった.

パーティとしてアタッカーは不可欠であるとか,耐久が必要であるとか,稚拙な考えでなんとなく6匹の性格,技,努力値の分配を書き出し,それに従い一心不乱に孵化作業をした.このときが一番楽しかったような気がする.2,3ヶ月かけてようやく6匹揃った時の感動を超えるものはいまだにない.

かくして,いざ初陣!非常に甘く,脆く,研ぎ澄まされた統一ではなかった…そのことを痛感させられた.ぼろぼろに負けた.この時の相手のパーティはよく目に焼き付いている.純粋に悔しいと思った.そこからは我武者羅に試行錯誤を繰り返し,何度も何度も打ちのめされ,だんだんと『統一とはなんぞや』を理解していった.理解したことをできるだけ平易に纏まりをもって述べていくこととする.

まず,統一には優位に立てるポケモン,苦手であるポケモン,互角であるポケモンと言った具合に分類が必要であるということだ.

優位に立てるポケモンとは,タイプ相性・特性の相性・種族値の差から完全にこちらのペースに持ち込めるポケモンたちのことを指す.このタイプのポケモンには隙がなく叩き潰すことのできる型をあてがう.

苦手なポケモンとは,タイプ相性・相手の特性によりこちらが不利になる・種族値の差から圧倒的にこちらが負けているポケモンたちのことを指す.このタイプには一点集中そのためだけの役割遂行型をあてがう.

互角であるポケモンは,前者二通りに属さないポケモン・タイプ相性で有利不利がない・種族値の差異がすくない・互いの特性に有利不利がないポケモンたちのことを指す.このタイプには一般的・普遍的な,いわゆるオーソドックスな型をあてがうようにする.

次に,見せ合いの時点で各々の統一が喚起しやすいポケモンを覚えていく必要があるということだ.それに伴って,相手のパーティを自分の統一に対してどういう立ち位置であるかによってカテゴライズすることが大事である.例えば,苦手であるポケモンの比重が高いパーティ(ムウマ統一で言えば悪タイプが多いパーティ,「すなあらし」を起点にするパーティといった感じ),優位に立てるポケモンの比重が高いパーティ(ムウマ統一で言えば種族値が火力よりの耐久低めのゴーストタイプやエスパータイプが主軸のパーティ,地面技を主とするポケモンの多いパーティと言った感じ)などといった具合である.

喚起しやすいポケモンを覚え,カテゴリが整備されると,カテゴリごとに選出傾向・選出の順番が数パターンであることが見えだしてくる.

理解したことが私の中に身に付きだしたバトルレボリューション環境の後期には,ムウマ統一で勝率が安定して5割をキープできるようになっていた.こうなってくると毎日対戦していることが楽しくてしょうがなかった.喧伝活動などと言う当初の主旨などもう関係なかった.対戦の熱にうなされているとも言えるような日々であった.そこにポケットモンスターブラック・ホワイトの情報が流れ,種族統一の熱は次第に増大していった.だが残念ながらその熱は奪われることになる.

合間にムウマの実戦において役には立たない豆知識 その1

ムウマの海外での名称
英名その他:MISDREAVUS(ミスドリヴァス)
ドイツ名 :TRAUNFUGIL(トラウンフーギル)
フランス名:FEUFOREVE(フフォレーヴ)
韓国名  :무우마(ムウマ)

3.種族統一の氷河期

ポケットモンスターブラック・ホワイトでも種族統一が堪能できると信じてやまなかったのだが,残念なことに,実装されたランダムマッチの仕様下ではポケモンを重複してエントリーすることができなかったのである.ルールが整備されたランダムマッチでは無秩序が徹底して追い出された.統一も例外ではなかった.ブラック・ホワイトでのランダム対戦が主流になってくると,統一という言葉の意味が次第にタイプ統一にとってかわられるようになり,ポケモンを全重複させたパーティのことを指す言葉として種族統一という言葉が生まれたのだった.私はこの言葉を使わなければ統一を表すことができないのだということに今でも哀しみを覚えるのである.仕方がないことであるがゆえに.この世代において種族統一が唯一活動できた場所はフレンド対戦しかなかった.しかし,このフレンド対戦ですら統一を拒んでいた.というのも,フレンド対戦で統一を使おうとした場合,ルールを『なんでもあり』にしなければならないが,この『なんでもあり』が曲者で,選択するとレベルフラットまで撤廃されてしまいレベルを50に留めなければならなかったのだ.そうなってくると必然的にレベル50以上でなければ覚えない技が使えなくなり,さらにレベル50以上で進化するポケモン達は参加できようはずがなかった.幸いムウマ統一自体は「パワージェム」が55で覚えるように変更されたくらいで,前世代や遺伝の中に組み込めば何とかなる状態であったが,いずれにせよ窮屈極まりない対戦環境になってしまったのである.そのため普通パーティ(ランダムマッチに望むような普遍構成のパーティ)と対戦できることはなくなり,種族統一同士の対戦に甘んじるしかなかった.

4.種族統一の雪解け

ブラック・ホワイトに引き続き,ポケットモンスターX・Yでもランダムマッチにエントリーすることは叶わなかった.がしかし,前進もあった.プレイヤーサーチシステム(以下,PSS)の登場である.PSSでの通りすがり対戦(いわゆる野良対戦)では,ノーマルルール(レベル50フラットでなんでもあり)で日本のみならず世界の人たちと都合が合えば愛する種族統一で対戦できるのだ.まさに疑似ランダムマッチといえよう.ただし,都合が合わないことが多く,粘り強く申し込んでいくしかないのが現実なのだが.それでもバトルレボリューションほどではないが混沌さを味わえるのは確かである.旅パーティであったり,禁止伝説フルパーティであったり.だが,そんな中で時折巡り合うのだ.ガチのパーティにタイプ統一,普通にランダムマッチに潜っているだろうと思われるパーティに.それらにマッチングした時の高揚感と熱意.この瞬間ばかりは何とも言えぬ充足感があるのである(すぐに消えるが).

確かに地道な作業である.種族統一をやめてしまった,あるいは,傍から見ている方々には馬鹿らしく映るかもしれない.ただひたすらにPSSでアイコンをタッチしては断られ断られ…やっとの思いでつながっても回線が切れる.だが,そこには旅パーティや禁止伝説,中にはパーティの体を成してないもの,たまにきらりと輝く趣向のパーティ,ガッチガチまで多種多様のパーティに巡り合える.これこそが本来のポケモンバトルではないかと思わせてくれるのだ.確かになかなか都合が合うはずがないだから,魅力を感じない人もいるだろう.だが考えてほしい.ポケモンは対戦ツールである前にコミュケーションツールなのだ.対戦したければランダムマッチをすればいいかもしれない.でも飽きないだろうか.みんな個体値を粘って,みんな努力値を割いて,結局画一的ではないだろうか.確かに個性は出せるだろう.でも限界がある.ルールが縛るから.旅したポケモンたちで挑む奴なんていない.ポケモンを重複させた奴なんていない.結局,今のランダム対戦はルールをカッチリはめた律儀な世界でしかない.そこに混沌さや奔放さはない.それでいい人はそれでいいかもしれない.でも,もし物足りないと感じている人ならば一呼吸おいて我々と一緒にPSS野良対戦してみてはいかがだろうか?

合間にムウマの実戦において役には立たない豆知識 その2 ムウマは足跡がないが,DP・Ptでは213ばんどうろ民家に住むフトマキに,X・Yではシャラシティの民家にいる男に,ORASではバトルリゾート北東の桟橋にいるポケモンマニアに,それぞれ見せるとあしあとリボンが貰える

5.ムウマ統一に関するあれこれ

5.1 基礎知識

まず,ムウマに関しての基礎知識をざっと紹介する.

図鑑ナンバー 種族値
ぜんこく:200
ジョウト:219
シンオウ:072
HP  60
攻撃  60
防御  60
特攻  85
特防  85
素早さ 85
主な生息地 タイプ相性
パール:ハクタイのもり
HGSS:だんがいのどうくつ シロガネやま
ホワイト:ほうじょうのやしろ
ORAS:114ばんどうろ 115ばんどうろ
ノーマル 無効
かくとう 無効
どく   半減
むし   半減
あく   抜群
ゴースト 抜群

5.2 遺伝経路

ムウマの遺伝経路を紹介する.

※オメガルビー・アルファサファイアに準拠する.

いやなおと

ベトベター   (lv.37)    ベトベトン   (lv.37)
カゲボウズ   (lv.4)     ジュペッタ   (lv.4)              

みちづれ

ゴース   (lv.40)    ゴースト  (lv.40)
ゲンガー  (lv.50)                 
ドガース  (lv.46)    マタドガス (lv.55)
ソーナンス (lv.1)                  
デスマス  (lv.49)    デスカーン (lv.57)
ボクレー  (lv.39)    オーロット (lv.39)             

おきみやげ

ベトベター (lv.48)    ベトベトン   (lv.57)
ドガース  (lv.45)    マタドガス   (lv.54)
ミカルゲ  (lv.43)                 
ヒトモシ  (lv.33)    ランプラー   (lv.33)            

わるだくみ

ミカルゲ   (lv.37) 

のろい

ゴース   (lv.12)    ゴースト  (lv.12)
ゲンガー  (lv.12)                 
カゲボウズ (lv.26)    ジュペッタ (lv.26)
ヨマワル  (lv.33)    サマヨール (lv.33)
ヨノワール (lv.33)                 
ミカルゲ  (lv.1)                  
デスマス  (lv.29)    デスカーン (lv.29)
ヒトモシ  (lv.43)    ランプラー (lv.45)
ボクレー  (lv.28)    オーロット (lv.28)

ふういん

ラルトス  (lv.29)    キルリア  (lv.33)
サーナイト (lv.35)                 
ヒトモシ  (lv.24)    ランプラー (lv.24)          

かげうち

カゲボウズ (lv.13)    ジュペッタ (lv.13)
ヨマワル  (lv.17)    サマヨール (lv.17)
ヨノワール (lv.17)                 
ミカルゲ  (lv.1)                  
バケッチャ (lv.30)    パンプジン (lv.30)            

ふいうち

ゴース   (lv.22)    ゴースト  (lv.22)
ゲンガー  (lv.22)                 
カゲボウズ (lv.35)    ジュペッタ (lv.35)
ミカルゲ  (lv.35)         

あやしいかぜ

フワンテ   (lv.20)    フワライド   (lv.20)
ミカルゲ   (lv.25)                 
デスマス   (lv.25)    デスカーン   (lv.25)
プルリル   (lv.27)    ブルンゲル   (lv.27)             

スキルスワップ

ユニラン  (lv.40)    ダブラン   (lv.43)
ランクルス (lv.45)                          

ワンダールーム

ユニラン  (lv.48)    ダブラン   (lv.53)
ランクルス (lv.59)                          

さきどり

オタチ  (lv.42)   オオタチ (lv.50) 
オドシシ (lv.1)
アブソル  (lv.1)  
上記のポケモンから「さきどり」を ブイゼル経由で遺伝したマッギョ

合間にムウマの実戦において役には立たない豆知識 その3

ムウマの鳴き声は一之瀬 剛氏によるもの.鳴き声の長さは0.55秒.ちなみに,鳴き声の長さが同じポケモンはミニリュウ,ハリーセン,ムチュール,キモリ,ペリッパー,ヤミラミ,ハブネーク,アノプス,チョロネコ,フシデがいる.

5.3 技

ムウマの覚える技に関していくつか紹介する.

※独断で数個の技をピックアップした.

※技の仕様はオメガルビー・アルファサファイアに準拠している.

  1. シャドーボール

技の分類 – 特殊攻撃技

技の範囲 – 相手単体

技の効果 – 相手の特防を一段階下げることがある

言わずと知れたゴーストタイプ火力技.習得lv.41

ムウマ統一においては火力技としてだけではなく,耐久合戦の泥沼に陥った際に相手の特防を下げて突破口を開いてくれる偉大な技.たまに下げるの『たまに』を舐めちゃいけない.特にポケモンの乱数は偏っているときが多々あるのでその場合は効果絶大.

  1. ほろびのうた

技の分類 – 変化技

技の範囲 – 全体

技の効果 – 自分も含めて聞いたものを3ターン後にひん死の状態にする

ムウマの代名詞.習得lv.46

ムウマと言われれば真っ先にこの技の名前が浮かぶ人は多いのではないだろうか.

この技の優れている点は「みがわり」を貫通することである.「まもる」や「みきり」のように守りの体制に入らない限りほぼ確実に相手に入り流すことのできる技である.ただムウマが使う場合には耐久がないため3ターンしのげない可能性がある.また,「しんかのきせき」持ちだと思われ「ちょうはつ」などを受けやすいので,技を繰り出せないことが多々ある.シングルにおいては初手「ほろびのうた」はまずいと思われる.様子を見て繰り出すか相手のポケモンによっては引くが吉.ダブル・トリプルにおいては絶大な効果を発する.特性「ぼうおん」持ちには通用しないため注意が必要.

  1. なきごえ

技の分類 – 変化技

技の範囲 – 相手全体

技の効果 – 相手の攻撃を一段階下げる

意外な有用技? 習得 lv.1

この技は「おにび」が通らない特性「こんじょう」や炎タイプのアタッカーに対しても攻撃を下げられるので,物理受けの機能不全を防ぐことができる技である.また,相手全体に効果があるためダブル・トリプルバトルではさらに真価を発揮すると言える.PPも40と多く対戦が長丁場になったとしても「わるあがき」にならずに済む.

この技の最大の魅力は,愛するムウマの鳴き声をもう一度確認することができるということである.なんと素晴らしいことか.これ以上の喜びがあろうか…!前述の「ほろびのうた」同様,特性「ぼうおん」持ちには注意がいる.

さて,ここで特性「ぼうおん」のポケモンを列挙しておく.

マルマイン(ビリリダマ)
バリヤード(マネネ)
バクオング(ゴニョニョ,ドゴーム)
夢:トリデプス(タテトプス)
夢:ユキノオー(ユキカブリ)
夢:バッフロン

  1. パワージェム

技の分類 – 特殊攻撃技

技の範囲 – 単体

技の効果 – 特になし

意外と知らないムウマの岩技.習得lv.55

レベルアップで最後に覚える技.X・Yから威力が70から80に格上げされたが,タイプ一致ではないため火力不足ではある.ただし,弱点をつければこの限りではない.岩技の通用範囲は広く,岩4倍弱点のポケモンも多いので覚えさせておいて損はない.技のエフェクトがムウマによく似合っている.

  1. わるだくみ

技の分類 – 変化技

技の範囲 – 自分

技の効果 – 自分の特攻を2段階あげる

ムウマの切り札.習得 遺伝技

実はムウマの場合,積める機会はそうそうない.用意周到に根回ししなければならない.例えば,「でんじは」→「あやしいひかり」→「わるだくみ」→…と言った具合で,その場にいる相手のポケモンを限りなく行動不能ないし交代を促す状態にする必要がある.お膳立てによって「わるだくみ」するか敢えて一匹で敢行するか,後者であるならば完全なロマン型と言えるが,それはそれで面白いかもしれない.余談だが,「わるだくみ」しているムウマの顔は実に憎たらしくて良い.

  1. さきどり

技の分類 – 変化技

技の範囲 – 相手単体

技の効果 – 先制した時,相手が使おうとしている攻撃技を繰り出すことができる

相手次第の不確定要素技.習得 遺伝技

X・Yより追加されたムウマの遺伝技で,相手のポケモンの覚える技・技の効能・タイプの相性を把握し,かつ,相手の行動選択を見定める必要がある.というのも,先取った技が変化技だった場合は空かしてしまい一ターン何もしなかったことなる.また,ターンを溜めて繰り出す技(「ゴーストダイブ」,「ゴットバード」等)を先取った場合,こちらが先に行動する都合上,技を空かしたうえで相手の技だけ食らってしまうなど非常にリスキーな技であるからだ.C85というお世辞にも火力があるとは言えない(ないと言うわけではない)ムウマにとって,技の威力を1.5倍にして繰り出すのは魅力である.

  1. おどろかす

技の分類 – 物理攻撃技

技の範囲 – 相手単体

技の効果 – 相手をひるませることがある

図鑑説明に沿った技.習得 lv.10

「みんなをおどろかせるいたずらずき」(ポケットモンスター金,しんがたずかん,No.214)や「おどろかせてはよろこぶ」(ポケットモンスターダイヤモンド,シンオウずかん,No.072)等と説明されているように,ムウマにとって「おどろかす」はキーワードとも言え,覚えて然るべき技である.この技は威力30と低く,物理技と言うこともあり,なかなかムウマでは運用が難しい.だが,完全に無用の技と言うわけではない.まず,ムウマは「しんかのきせき」を用いて耐久を底上げできるので,攻撃に努力値を割き,ある程度の火力も担保できる.さらに,この技にはひるみ効果があり,ムウマは「わざマシン73」で「でんじは」を覚えることができるため,「まひ」によるしびれとひるみによる相乗効果で相手を行動不能にして押し切る,俗に言う「まひるみ」によるごり押しが可能である.ただし,この攻勢は型にはまると相手に一切何もさせずにことが進むため,対戦相手の気分を著しく害する可能性が高い.そのため,あくまでも最終手段としてやむを得なく使用するべきではある.

  1. サイコウェーブ

技の分類 – 特殊攻撃技

技の範囲 – 相手単体

技の効果 – 特になし

ギャンブル固定ダメージ技.習得 lv.1

ムウマを耐久として運用するならば必要不可欠といっても過言ではない技である.この技は相手側の耐久によらず,自分のレベル×0.5から1.5のダメージ,レベル50のフラット下であれば25から75のダメージを相手に与えることができる.他の固定ダメージ技(「ナイトヘッド」や「ちきゅうなげ」と言った自分のレベルと同じだけのダメージ,レベル50フラット下で50のダメージを与える技)と違い,固定ダメージに幅があることにより,ターン経過数の見積もりを不透明にさせるという特徴がある.これは欠点であると同時に利点でもある.耐久合戦に陥った場合を想定してみるとわかりやすいのだが,仮に乱数が微笑まず50以下のダメージしか与えられなかった場合は当然じり貧になるのは言わずもがな,逆に乱数が微笑み50以上のダメージ,強運にも75のダメージを繰り出し続けた場合にはダメージ量の分こちらが有利になることは間違いない.そして乱数が順当にダメージを配分した場合には,相手にどこまで粘るのか,回復するターンはどこかといったターン計算・予測をしにくくするという側面がある.

合間にムウマの実戦において役には立たない豆知識 その4

ポケモン図鑑におけるムウマの色の分類は,灰色.ちなみにムウマージは紫色である.

5.4 ムウマの紹介

最後に私が使用しているムウマたちの一部を紹介して本文を締め括ろうと思う.

※紹介するムウマたちはいずれもX・Y,オメガルビー・アルファサファイアに準拠している.

・さきどり輝石型

性格 努力値分配 特性 持ち物
ひかえめ H252-C252 ふゆう しんかのきせき
技の構成
さきどり たたりめ (パワージェム) でんじは

これを使わずして何が第六世代かという話である.「しんかのきせき」を持たせて少しだけ風変わりなこともしてみたいという欲求もある.「さきどり」は先取った技の威力を1.5倍にして繰り出すのでひかえめC252は捨てがたい.メガゲンガーやシャンデラを麻痺状態にし「シャドーボール」などを「さきどり」できれば言うことなしである.また悠長なことをするドラゴンタイプに赤っ恥をかかせてやるのもいいかもしれない.「パワージェム」はお好みで.「パワージェム」を採用する場合はファイアローなどを念頭に耐調整する必要がある.

・たたりめ輝石型

性格 努力値分配 特性 持ち物
おだやか H252-B120-D138 ふゆう しんかのきせき
技の構成
わるだくみ たたりめ でんじは あやしいひかり

ロマン追求型である.『かくかくしかじかで詰んでいるじゃないか』なんて知ったことではない.なぜなら,ポケモン対戦というのは基本的に一対一で行うものではないし,そもそも見せ合いで相手の面子を見た時にある程度詰んでいるか詰んでいないか予測ができるのだから戯言もいいところである.相手を見極めさえすれば型がはまり,その力をいかんなく発揮できるというわけである.

耐久調整として,特殊攻撃技は「しんかのきせき」込みで「ひかえめ」C252振りシャンデラのシャドーボールが確定1発耐えられる調整(シャンデラが「こだわりメガネ」持ちだった場合は乱数25%で耐える)で,物理攻撃技は「いじっぱり」A252振りメガジュペッタの「シャドークロー」が耐えられる調整となっており,概ね全てのポケモンを受けられ「でんじは」を撒けるようにしている.というのも,この型の基軸技である「たたりめ」は状態異常の相手に対して威力が二倍になる技であるからだ.

また,「わるだくみ」と「あやしいひかり」に関しては耐久型に直面した時に相手をできるだけ行動不能にして「わるだくみ」を積みたいという目論見と,積みあがった火力で『どうだ?ムウマ強いだろう』がしてみたいからである.

・こだわりメガネ型

性格 努力値分配 特性 持ち物
ひかえめ H252-C252 ふゆう こだわりメガネ
技の構成
シャドーボール (サイコキネシス) マジカルシャイン かみなり

ムウマは未進化ということで一番警戒されるのが「しんかのきせき」を持っているかもしれないということである.「トリック」や「ちょうはつ」を誘発しやすいため,一ターンの猶予を生みやすく,一発ぶち込むことができるのが強み.等倍技であればH全振りで往々にして耐えることができるので二発目を打ち込むことも可能である.

特攻種族値85をなめてはいけない.メガネをつければ火力も馬鹿にならない.耐久低めの悪タイプならば「マジカルシャイン」で討伐可能である.

・輝石強奪型

性格 努力値分配 特性 持ち物
おだやか H252-C6-D252 ふゆう ねらいのまと
技の構成
わるだくみ トリック シャドーボール 10万ボルト

「しんかのきせき」持ち同士の対面になると火力や耐久の低さでムウマの分が悪いことが多い.そこで割り切って奇策をとることにする.こちらのムウマには「しんかのきせき」を持たせず「ねらいのまと」を持たせておく.これは「しんかのきせき」持ちがラッキーやポリゴン2といったノーマルタイプに多いためである.「トリック」して持ち物を入れ替えた時にできうるだけ相手の出鼻を挫いてダメージ(精神的に)を与えてやる目的がある.特にポリゴン2あたりにこの奇策が通るとすがすがしいこと間違いなし.わるだくめる余裕がうまれ,火力で殴ることも可能になる.

奇策型なので見せ合いの時点で相手の「しんかのきせき」持ちが出てくるのかどうか,どの段階かということを見極めるスキルが必要で,やや運用がむずかしいという欠点がある.タイプ統一に組み込む際には一向できる型であると思われる.

・はたきおとす警戒ナモのみ型

性格 努力値分配 特性 持ち物
(ひかえめ) B252-C248 ふゆう ナモのみ
技の構成
かげうち めざめるパワー(格) シャドーボール かみなり

X・Yより「はたきおとす」の威力が20から65にあがったり,相手が持ち物を持っている場合は威力が2倍になったりという,ムウマ統一にとっては極悪な技.そのため対策が必須である.特にこの技を使ってくるのはキリキザン,マニューラであるため,「めざめるパワー」は格闘が望ましい.また「かみなり」はあく・みず,あく・ひこうと言った複合が多いためあったほうがいい.「かげうち」は「きあいのタスキ」発動による耐えがあるために入れておくとよい.残念ながらマニューラには「こおりのつぶて」があるため意味がないが,キリキザンは「ふいうち」のため完封できる場合がある.

・火力重視のこだわりスカーフ型

性格 努力値分配 特性 持ち物
ひかえめ C252-S252 ふゆう こだわりスカーフ
特性
シャドーボール さきどり かみなり みちづれ

先述した「さきどり輝石型」では「ちょうはつ」等で先取る段階まで至らずということもある.そこで「こだわりスカーフ」を持たせ,ほぼ万全に抜き去って先取ってしまえというわけである.せっかく「さきどり」をするならでき得るだけ火力を担保するため,性格は「ひかえめ」努力値CS252振りの準速がお勧めである.ただし,最速「こわだりスカーフ」持ちカラマネロと同側対決になったり最速「こだわりスカーフ」持ちのすばやさ種族値80族(「シャンデラ」,「トゲキッス」等)には抜かれたりするので注意がいる.また,火力も耐久も申し分なく突破することが困難な相手(いわゆる600族等),圧倒されるような火力でもはやムウマが撃沈されるしかない相手(いわゆる禁止伝説等)にはまさに死なば諸共,「みちづれ」で「ひんし」状態に持っていく必要がある.

6 おまけ

私が魅せられた金銀当時のムウマの姿を拙い画力で再現してみた.

1-05-1

ポケットモンスター金におけるムウマの姿

1-05-2

ポケットモンスター銀におけるムウマの姿