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ShuzokuTouitsuJournal

種族統一論文とりまとめ用

カメックス統一パーティに関する考察

おにく

1.はじめに

カメックスとは,ポケットモンスター赤・緑・青において,最初に貰えるポケモンの一匹であるゼニガメの最終進化形態である.タイプは「みず」.もちもの「カメックスナイト」を持たせることにより,戦闘中にメガシンカをすることができる.特性は最大HPが3分の1以下になった時に水タイプの技の威力が1.5倍になる「げきりゅう」,天候が雨の場合ターン終了時にHPが16分の1回復する「あめうけざら」,メガシンカをすることにより波動技の威力が1.5倍になる「メガランチャー」となる.通常時の種族値はHP:79,こうげき:83,ぼうぎょ:100,とくこう:85,とくぼう:105,すばやさ:78で,耐久はやや高めで他は平均的な能力である.メガシンカをすることによりHP:79,こうげき:103,ぼうぎょ:120,とくこう:135,とくぼう:115,すばやさ:78となり大幅にとくこうが上がっている.

2.対戦におけるカメックス

現在でこそメガシンカと各種波動を用いた重戦車型が主流であるが,それ以前のカメックスはバランスのとれた種族値が災いし,何をさせるにしても中途半端であり,器用貧乏なだけであるという点が指摘されていた.ポケモングローバルリンク[1]のデータによれば,現対戦環境においてはトリプルバトルにおいて使用率がTOP12以内であり,使用率ランキング外である他のルールに比べ高くなっている.レーティングバトル全体で使用されているカメックスの性格は「ひかえめ」が多く77.0%,次いで「おくびょう」,「れいせい」となっている.技の使用率では「はどうだん」が多く82.2%,次いで「あくのはどう」,「みずのはどう」となっている.もちものでは「カメックスナイト」が91.2%と群を抜いて多く,次いで「とつげきチョッキ」,「こだわりスカーフ」となっている.

これらの事から,現在対戦で使われているカメックスのほとんどはメガカメックスであり,通常のカメックスの使用者はごく少数といえる.しかし,種族統一パにおいてはこのメガシンカの恩恵を受けられるのは対戦中に1匹のみであり(ルールによりメガシンカが不可の場合もある),それ以外のカメックスは通常の状態での対戦しなければならない.

本稿では通常のカメックスの育成を中心に考察を行っていく.

3.カメックスの育成について

通常の状態のカメックスにおいては,まとめWikiなどで様々な型が考察されている.ポケモン第六世代(XY・ORAS)・対戦考察まとめWiki[2]ではスカーフ潮吹き型,ポケモン対戦の記録wiki[3]ではグロウパンチ型等が考察されている.それら以外にも,過去の作品では,ポケモン第五世代・対戦考察wiki[4]で物理受け型,ポケモン対戦考察まとめwiki[5]で物理・特殊基本型等が考察されている.

元々バランスの良い種族値であるため何かに特化させた場合,他に適任が出てきてしまうものの,何をさせてもある程度の能力はあり,不得手は少ない.

器用貧乏と指摘されるだけあり,技の種類は豊富である.メインウェポンとなる水技は,特殊であれば「しおふき」「ハイドロポンプ」「ねっとう」,物理であれば「アクアテール」「たきのぼり」「アクアジェット」等どちらも一通り揃っている.サブウェポンでは「ノーマル」「こおり」「かくとう」「じめん」「エスパー」「むし」「いわ」「ドラゴン」「あく」「はがね」の10タイプが扱え,「めざめるパワー」や「しぜんのめぐみ」を併用することにより範囲を広げることが可能である.

これら以外にも「カウンター」「ミラーコート」と言った反射技.催眠および交換を誘発できる「あくび」,強制的に相手を交換することができる「ドラゴンテール」等の技を使用できる.

しかし,自身の能力を上げる技や再生回復技に乏しく,覚えることができるのは,ぼうぎょを上げる「てっぺき」や「ロケットずつき」,こうげきを上げる「グロウパンチ」,ターン終了時に最大HPの16分の1を回復する「アクアリング」,使用ターンに最大HPまで回復するが2ターン眠り状態になる「ねむる」のみである.

耐久面では,一致弱点であってもかなりの水準まで耐えることが可能である.互いにアイテム補正の無い場合,物理では,オーロット(こうげき種族値110)の「ウッドハンマー」や,ライチュウ(こうげき種族値90)の「ボルテッカー」まで耐えることが可能である.特殊では,モジャンボ(とくこう種族値110)の「リーフストーム」や,サンダー(とくこう種族値125)の「でんじほう」まで耐えることが可能である.

火力面ではHP最大時の「しおふき」で,ゴウカザル(とくこう種族値104)の「きあいだま」と同程度のダメージを与えることが可能である.

すばやさでは,最遅時74から最速時143までの範囲で調整が可能である.最遅時では,素早さが半減する持ち物を持たせることにより37となり,最遅トリトドン(すばやさ種族値39)より遅くなる.最速時では,「こだわりスカーフ」を持たせることにより214となり,最速マルマイン(すばやさ種族値140)よりも速くなることが可能である.

4.統一対戦におけるカメックスの考察

攻撃面・耐久面ともに物理特殊に極端の差がなく,多様な育成が可能な点がカメックスの強みといえる.

種族統一パでの対戦では相手側から弱点となる技で攻められることが多く,そういった攻撃を高い水準まで耐え,自身の行動ターンを確保でき,一方的な試合展開になりにくい点は種族統一での対戦では重要といえる.特に,対戦相手の種族値が偏っている場合は,相手に合わせた調整が活きやすく,ぼうぎょの低い相手には特殊技で,とくぼうの低い相手には物理技で攻め,耐久面も同様に対応していけば,相手に対して優位に試合を運んでいくことが可能になってくる.

また,攻撃を耐えるという事は,「カウンター」や「ミラーコート」での反撃で苦手な相手を突破することが可能である事を意味している.つまり,互いに攻撃技撃ちあうことになりがちな種族統一パでの対戦では,いかにして耐え,こちらの攻撃を相手に与えるのかが重要になってくる.

そういった意味では,「ねむる」と「カゴのみ」を合わせた耐久戦術は,使用機会が少なくなってくると考えられる.

また,行動の確保には,耐えるだけではなく,相手に先制で攻撃する事も重要になってくる.カメックスは「こだわりスカーフ」を持たせることにより,多くの相手に先制することが可能であるため,素早さ種族値が自身より高い相手に対しても先制攻撃をすることができ,あわよくば後続の相手に対しても一撃を加えることも可能になってくる.特に,ダメージを受けると威力が減衰してしまう「しおふき」を使う場合や,素早さが高く,弱点技をタイプ一致で使用できる「でんきタイプ」の相手に対して,先制で「じしん」を使えるという事は,対戦の流れをこちらに引き寄せるきっかけとなりうる.

しかし,火力面を上げる積み技に乏しいため,弱点を攻めづらい耐久型や重戦車型のポケモンとの対峙は不得手であり,そういった相手に対する戦略が今後の課題である.また,積み技についてはとくぼうを上げる技もないため,そちらが手薄になりやすい点も考慮する必要がある.

調整面では,すばやさが重要になりやすく,仮想敵に合わせたすばやさ調整を行うことで,対応可能な範囲であれば,素早さ調整をしていない相手に対して先制することが可能になり,アドバンテージをとりやすくなる.すばやさに努力値を割いた場合,耐久・火力面を若干落とす必要があるが,耐久面では全努力値を割くような相手が少ないため,仮想敵に合わせて余った努力値をすばやさに優先して割くのが有効な手段だと考えられる.

これらの事から,カメックスは相手に合わせ幅広い育成が可能であり,その型の数は仮想敵の数以上になってくると考えられる.特に,種族統一戦では通常の対戦と異なり,他のポケモンでも可能なことであってもそのポケモンに任せることができないため,幅広い戦術を使えるという点は強みになってくると考えられる.

参考文献

[1]“ポケモングローバルリンク”, http://www.pokemon-gl.com/

[2] “ポケモン第六世代(XY・ORAS)・対戦考察まとめwiki”, http://www57.atwiki.jp/pokemon6th

[3] “ポケモン対戦の記録wiki”, http://www57.atwiki.jp/pokeroku/

[4] “ポケモン第五世代・対戦考察まとめwiki”, http://www14.atwiki.jp/bwpokekousatsu/

[5] “ポケモン対戦考察まとめwiki”, http://www18.atwiki.jp/dppokekousatsu/