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ShuzokuTouitsuJournal

種族統一論文とりまとめ用

大会「ウルトラスーパーハイパーチャレンジ」におけるムウマ統一雑感

ムウマ統一パ 紳士のチイセ

1.ムウマ統一の戦績等

2017年8月25日から同年8月28日にかけて行われたインターネット大会「シャドースチール」(以下,前大会と言う.)に続いて,種族統一で参加可能なインターネット大会「ウルトラスーパーハイパーチャレンジ」(以下, 今大会と言う.)が2018年5月25日から同年5月28日にかけて行われた.

今大会では,ウルトラサン・ウルトラムーン各々ムウマ統一で参加した.各々のムウマ統一の構成を紹介する.

ウルトラサンのムウマ統一 (以下,ムウマ統一USと言う.)

   
1匹目 (りん)  
性格 ひかえめ
持ち物 こだわりメガネ
技構成 シャドーボール サイコキネシス トリック 10まんボルト
   
2匹目 (Alexandre)  
性格 ひかえめ
持ち物 こだわりスカーフ
技構成 シャドーボール さきどり みちづれ かみなり
   
3匹目 (ひまり)  
性格 おくびょう
持ち物 ひかりのこな
技構成 みがわり わるだくみ マジカルシャイン シャドーボール
4匹目 (てった)  
性格 おくびょう
持ち物 カムラのみ
技構成 こらえる みちづれ でんじほう シャドーボール
   
5匹目 (かなえ)  
性格 いじっぱり
持ち物 ノーマルZ
技構成 ふいうち しっぺがえし いやなおと すてみタックル
   
6匹目 (きりひこ)  
性格 うっかりや
持ち物 きあいのタスキ
技構成 シャドーボール かみなり こごえるかぜ かげうち

りん:特殊アタッカー.「トリック」を使用して特殊受けを機能不全にして押し切りたいと考えた.

Alexandre:突破しづらいポケモンと「みちづれ」で共に逝くことが目的.性格を「ひかえめ」にすることで「かみなり」によってゲッコウガを高乱数1.

ひまり:「みがわり」で遅いポケモンの状態異常技を防ぎ,「わるだくみ」を積んで押し切りたいと考えた.

てった:項目5において特記.

かなえ:Z「いやなおと」によって相手の防御を2段階下げつつ,攻撃を1段階あげて殴ることが目的.

きりひこ:性格が「うっかりや」なのは特攻火力を担保しつつ,削り切れなかったときに「かげうち」で確実に後始末できるようにするためである.

ウルトラムーンのムウマ統一(以下,ムウマ統一UMと言う.)

   
1匹目 (Freya)  
性格 おだやか
持ち物 しんかのきせき
技構成 わるだくみ たたりめ でんじは あやしいひかり
   
2匹目 (めぐみ)  
性格 ずぶとい
持ち物 アクZ
技構成 よこどり おにび たたりめ いたみわけ
   
3匹目 (アグリ)  
性格 ずぶとい
持ち物 こだわりメガネ
技構成 シャドーボール サイコキネシス パワージェム かみなり
   
4匹目 (グレン)  
性格 ひかえめ
持ち物 オボンのみ
技構成 テレキネシス シャドーボール かみなり れんごく
   
5匹目 (れいか)  
性格 おくびょう
持ち物 きあいのタスキ
技構成 みちづれ おきみやげ こごえるかぜ マジカルシャイン
6匹目 (いつき)  
性格 ゆうかん
持ち物 カシブのみ
技構成 つばめがえし しっぺがえし かげうち ふいうち

Freya:「でんじは」に「あやしいひかり」を重ねて行動不能にし,「わるだくみ」からの「たたりめ」を決めたいと考えた.いやらしいロマン型である.

めぐみ:項目5において特記.

アグリ:物理耐久にやや努力値を配分.「フレアドライブ」等を受けきり,反動込みで突破することが目的.

グレン:「オボンのみ」込みでメガハッサムの「バレットパンチ」を確定3発にして,「テレキネシス」からの「れんごく」を決めることができる.

れいか:「みちづれ」で共に逝くことを考えつつ,素早さを逆転できないポケモンには初手「みちづれ」することで交換や補助技を誘発して駆け引きを生む目的.

いつき:今大会唯一の半減の実持ち.安定して「ゴーストタイプ」を突破することと,壁張り要員として出てくる「エスパータイプ」を突破したいと考えた.

ムウマ統一USの勝敗は45戦中,13勝32敗で最終レートは1277ptであった.

ムウマ統一UMの勝敗は45戦中,15勝30敗で最終レートは1331ptであった.

合間にウルトラスーパーハイパーチャレンジにおける雑感 その1 今大会の看板ポケモンたるウルトラネクロズマ. その象徴たる専用Z技「天焦がす滅亡の光」を各ムウマ統一合計90戦中一度たりとも拝むことはなかった. 安堵でしかないはずなのに,どこか残念さも感じるのであった…

2.各ムウマ統一の対戦結果表

本項目から項目5までは,種族統一以外のPTについて論述していることに留意してほしい.

相手が選出したポケモン,自分が選出したムウマ,勝敗,試合の所感を駆け足で述べていく.

※相手の匹目は見せ合い時における選択順(バトルビデオ依拠),取り消し線が入っているポケモンは戦闘の場には出ていない(勝敗が決したもしくはどちらかの降参によって場に出てくる前に試合が終了した.)

※相手側の持ち物は対戦中に判明したもの,バトルビデオ模擬戦にて特性「おみとおし」で割り出したものを

記載している.

ムウマ統一USの対戦結果表

4-07-1 4-07-2 4-07-3 4-07-4 4-07-5 4-07-6

ムウマ統一UMの対戦結果表

4-07-7 4-07-8 4-07-9 4-07-10 4-07-11

※ムウマ統一US・23,ムウマ統一UM・19番号は同一の対戦相手.

※ムウマ統一UM・7,13番号は同一の対戦相手.ムウマ統一UM・14,21,22番号は同一の対戦相手.

合間にウルトラスーパーハイパーチャレンジにおける雑感 その2 ムウマのタイプを知らない.ムウマの唯一の特性を知らない. そんなことは種族統一対戦ではまず有り得ないため,「ノーマル・かくとうタイプ」技を透かしたり,「じめんタイプ」技を無効にしたりといったことは体験できない. そういったことを体験できるのも,ランダム対戦だからこその醍醐味かもしれない.

3.ムウマ統一に対する選出傾向等

ムウマ統一US・ムウマ統一UMを合算して戦闘に選出されたポケモンとその回数,初手選出された回数をまとめてみた.

戦闘に選出されたポケモン一覧

ポケモン名 戦闘選出 初手選出 順位
ネクロズマ (日食) 10回 2回 1
ゲッコウガ 6回 5回 2
ガオガエン 6回 3回 2
ダークライ 6回 2回 2
ジガルデ 6回 2回 2
マーシャドー 6回 1回 2
ネクロズマ (月食) 6回 1回 2
リザードン 6回 0回 2
シェイミ (スカイ) 5回 1回 9
カプ・コケコ 5回 1回 9
ギャラドス 4回 1回 11
マギアナ 4回 1回 11
(メタモン) 4回 0回 11
ミミッキュ 4回 0回 11
ライコウ 3回 3回 15
バンギラス 3回 3回 15
カプ・テテフ 3回 2回 15
ランドロス (れいじゅう) 3回 1回 15
(サーナイト) 3回 1回 15
(ドーブル) 3回 0回 15
エンテイ 3回 0回 15
ルガルガン (たそがれ) 3回 0回 15
キュウコン (アローラ) 2回 2回 23
サンダース 2回 2回 23
ゾロアーク 2回 2回 23
ジュナイパー 2回 2回 23
アーゴヨン 2回 2回 23
クチート 2回 1回 23
(オオタチ) 2回 1回 23
ディアンシー 2回 1回 23
フーパ (いましめ) 2回 1回 23
(イーブイ) 2回 0回 23
メタグロス 2回 0回 23
ラティオス 2回 0回 23
エルレイド 2回 0回 23
アシレーヌ 2回 0回 23
ゲンガー 1回 1回 37
ラプラス 1回 1回 37
ミュウ 1回 1回 37
キノガッサ 1回 1回 37
パッチール 1回 1回 37
ガブリアス 1回 1回 37
カバルドン 1回 1回 37
ドラピオン 1回 1回 37
ペンドラー 1回 1回 37
ブルンゲル 1回 1回 37
トリミアン 1回 1回 37
ギルガルド 1回 1回 37
カラマネロ 1回 1回 37
デデンネ 1回 1回 37
グソクムシャ 1回 1回 37
カプ・レヒレ 1回 1回 37
ネクロズマ (通常) 1回 1回 37
カメックス 1回 0回 37
ペルシアン (アローラ) 1回 0回 37
ウインディ 1回 0回 37
ルージュラ 1回 0回 37
カイリュー 1回 0回 37
バクフーン 1回 0回 37
ピィ 1回 0回 37
デンリュウ 1回 0回 37
ハッサム 1回 0回 37
キングドラ 1回 0回 37
ポリゴン2 1回 0回 37
ミルタンク 1回 0回 37
ハピナス 1回 0回 37
ケッキング 1回 0回 37
ジュペッタ 1回 0回 37
ボーマンダ 1回 0回 37
ガバイト 1回 0回 37
ルカリオ 1回 0回 37
ユキノオー 1回 0回 37
ポリゴンZ 1回 0回 37
ジャローダ 1回 0回 37
テッシード 1回 0回 37
ゴルーグ 1回 0回 37
メロエッタ (ボイス) 1回 0回 37
ゲノセクト 1回 0回 37
オドリドリ (めらめら) 1回 0回 37
ヨワシ 1回 0回 37
オニシズクモ 1回 0回 37
シルヴァディ 1回 0回 37
テッカグヤ 1回 0回 37

続いて,初手に繰り出された技において攻撃技だったか変化技だったか,使用された技の内訳を集計した.攻撃技についてはタイプ別に集計した.

あくタイプの技

技名 回数
あくのはどう 4
かみくだく 3
バークアウト 2
はたきおとす 2
ナイトバースト 1
つじぎり 1
ふいうち 1
DDラリアット 1
合計 15

ゴーストタイプの技

技名 回数
シャドーボール 4
かげぬい 2
シャドースチール 1
合計 7

でんきタイプの技

技名 回数
ボルトチェンジ 2
かみなりのキバ 1
ほうでん 1
エレキボール 1
合計 5

こおりタイプの技

技名 回数
れいとうビーム 1
ふぶき 1
合計 2

エスパータイプの技

技名 回数
サイコキネシス 1
フォトンゲイザー 1
合計 2

フェアリータイプの技

技名 回数
ムーンフォース 1
ラブリースターインパクト 1
合計 2

ひこうタイプの技

技名 回数
エアスラッシュ 1
ファイナルダイブクラッシュ 1
合計 2

いわタイプの技

技名 回数
ダイヤストーム 1
合計 1

じめんタイプの技

技名 回数
サウザンウェーブ 1
合計 1

ノーマルタイプの技

技名 回数
とっしん 1
合計 1

変化技

技名 回数
ステルスロック 4
ダークホール 2
さいみんじゅつ 1
キノコのほうし 1
でんじは 1
おにび 1
たくわえる 1
りゅうのまい 1
とぐろをまく 1
まもる 1
みがわり 1
ちょうはつ 1
ねこのて 1
ゆびをふる 1
合計 18

攻撃技・変化技の比較

種類 回数
攻撃技の合計 37
変化技の合計 18

最後に,全対戦おいて選出されたポケモンの持ち物を集計して一覧にした.

※メガシンカに必要なナイトは「メガストーン」として,「ウイのみ」と「フィラのみ」は「ウイ・フィラのみ」として一括りでカウント.

もちもの
メガストーン 21
きあいのタスキ 21
ウルトラネクロZ 15
無し 8
たべのこし 7
こだわりスカーフ 6
ノーマルZ 6
とつげきチョッキ 5
こだわりハチマキ 4
ゴーストZ 4
いのちのたま 4
アクZ 4
だっしゅつボタン 4
ジメンZ 3
ドラゴンZ 3
イーブイZ 2
ウイ・フィラのみ 2
おうじゃのしるし 2
グランドコート 2
かいがらのすず 2
こだわりメガネ 2
しんかのきせき 2
じしゃく 2
ジュナイパーZ 2
せんせいのツメ 2
たつじんのおび 2
デンキZ 2
とけないこおり 2
のろいのおふだ 2
フェアリーZ 2
ホノオZ 2
マーシャドーZ 2
メンタルハーブ 2
ヤチェのみ 2
ラムのみ 2
ルガルガンZ 2
アッキのみ 1
アシレーヌZ 1
エスパーZ 1
オボンのみ 1
ガオガエンZ 1
ゴツゴツメット 1
しんぴのしずく 1
しろいハーブ 1
シュカのみ 1
ドクZ 1
ハガネZ 1
ヒコウZ 1
ひかりのこな 1
ひかりのねんど 1
ピントレンズ 1
フリーズカセット 1
ミミッキュZ 1
ミズZ 1
ムシZ 1
メトロノーム 1

合間にウルトラスーパーハイパーチャレンジにおける雑感 その3 177匹中,メガストーンかZクリスタルのいずれかを持っていたポケモンは79匹で所持率約4割となる.もはや,「トリック」は死に技化しつつあるのかもしれない.

4.ムウマ統一の課題

4.1.選出の多いポケモン

以下,選出の多かったポケモンについて各々推察してみた.

※ カプ・コケコ,ゲッコウガ,ガオガエン,ジガルデ,ミミッキュに関しては2017年12月29日に刊行された『種族統一学会論文誌 Vol.3』に寄稿した論文(以下,前論文と言う.)にて推察を載せているため,今回は割愛する.

日食ネクロズマ・月食ネクロズマ

 《ウルトラ》と冠した今大会においてウルトラネクロズマを使いたくなるのが人情であろう.日食・月食ネクロズマがセットで組み込まれているPTが多かったように思う.日食の方が選出頻度は高く,これはムウマとのタイプ相性が関係しているのではないか.あるいは日食の方に物理型が多いからではないか.もしくはデザインが好かれているからではないか.などなどどれも推測の域を出ない.

シェイミ(ランド)・シェイミ(スカイ)

 これはポケモンセンター20周年記念キャンペーン(2018年4月25日から同年6月30日までシェイミが全国のポケモンセンター・ポケモンストアにて配布された)の影響であろう.

 シェイミ(ランド)は,特性「しぜんかいふく」のため「しんかのきせき」等でムウマが耐久をしてくる場合を想定している,すなわち,「おにび・どくどく・でんじは」を撒かれたとしても引けば状態を回復できるというのが理由だと思われる.

 シェイミ(スカイ)は,「シードフレア」(威力120.40%の確率で相手の特防を2段階下げる)と,「エアスラッシュ」(威力75で30%の確率で相手を怯ませる)を特性「てんのめぐみ」によってそれぞれの追加効果を2倍にできるため,そのまま押し切れることが理由であると思われる.

マーシャドー

 戦闘のPTに選出されることは多いが,初手選出が少ないのが特徴であろう.素早さが高いため「でんじは」や「こごえるかぜ」をして素早さを逆転させたいところなのだが,「かげうち」を覚えるためそうもいかない.特性「テクニシャン」も相まって「かげうち」にて素で殴られただけでもムウマにとっては致命傷である.

 また,ムウマの「シャドーボール」では削りきれないことも厄介で,現状では直で殴られることを期待して「みちづれ」にて持って逝くほかに方法がないのが実情である.

リザードン

メガリザードンYになるパターンが多かった.特性「ひでり」からの「かえんほうしゃ」や「ねっぷう」は耐えがたかった.

大会中は「パワージェム」を覚えた「こだわりスカーフ」持ちのムウマを投入しておけばと後悔の念に駆られていたが,大会終了後ダメージ計算を行ったところメガリザードンYは「パワージェム」では乱数1発で確実に仕留めることができない.ぐぬぬ.

バンギラス

 前大会では,不思議なことに一回たりとも見ることがなかったのだが,今大会ではこれでもかと言うほど 出くわした.出会ってしまったが最後,必ず初手に選出され,ほぼほぼ三タテされてしまっている.メガシンカするかどうかが読めないうえに,「かみくだく」等で率直に殴ってくれるだけなら「みちづれ」すればよいのだが,そうはいかない.「バークアウト」を覚えるため「すなあらし」下で特防補正加味の特殊耐久であったり,「ステルスロック」からの「でんじは」そして「ほえる」いわゆる昆布戦法であったりして型を見定めることができない.と言うより見定めたときにはもうほぼ手遅れである.

カプ・テテフ

 特防種族値が115あるので「シャドーボール」を一撃耐えるうえに,特性「サイコメーカー」により場の状態を「サイコフィールド」にして先制技を無効化するため「かげうち」を打って処理することができない.

また,ムウマは特性「ふゆう」であるため「フィールド」系の恩恵は一切受け付けない.ということは相手側のポケモンは5ターンの間ムウマの「かげうち」「ふいうち」を無効にするが,ムウマは先制技を甘んじて受けるしかないという相手側に有利な一方的場の状態が出来上がるのだ.

ランドロス

ウルトラサン・ウルトラムーンの通常対戦環境(ランダムマッチ)の態様が垣間見える.今大会ではガブリアスをほとんど見なくなった代わりに,こいつがやけにPTに組み込まれていた印象がある.また,ムウマに対して絶対的な技「はたきおとす」を搭載していることが多かった.ムウマより素早く,「こごえるかぜ」ごときではびくともしない耐久力を持ち合わせた彼にとってムウマ統一は格好の獲物と言えよう.

4.2.相手の技に関する分析等

戦術としては前論文で述べた傾向が引き続き今大会でも見られ,攻撃技で押し切ろう,ムウマ統一を殴り倒してやろうとしているなと強く感じられた.

攻撃技に関して

「あくタイプ」技は概ね「あくタイプ」のポケモンが素直にタイプ一致の技で弱点を突いてきている.

「ゴーストタイプ」技は「ゴーストタイプ」以外のタイプがサブウェポンとして搭載していることが多かった.タイプ不一致状態で弱点を突いてきている.

等倍技に関しては言わずもがなではあるが,自身のタイプ技で押し切ろうとしている.

「しんかのきせき」はあまり意識していないのかもしれない.また,「はたきおとす」は手痛い.

変化技に関して

「ステルスロック」を撒かれることが多く,「きあいのタスキ」持ちの『きりひこ』や『れいか』は機能不全に陥りやすかった.

催眠対策は必須.また,他の状態異常技も目立つため「ラムのみ」持ちは登用すべきだった.

「まもる」や「みがわり」といった初手様子見をしてくるパターンも見られた.「トリックルーム」や「マジックルーム」等のルーム系の技を仕掛ける機会があるように感じられたので登用を検討したい.

積み技においては特に「たくわえる」が目立った.「じこあんじ」できると大変おいしいかもしれないなと思った.

4.3.相手の持ち物に関する分析等

「きあいのタスキ」

この持ち物はHPが満タンであれば本来は瀕死になるダメージの攻撃技を受けたとしてもHP1で耐えることができるが,ムウマの火力では発動まで持っていけません!

「無し」

 持ち物を持っていない.低レートの宿命なのかもしれない.

「たべのこし」

ターン毎に最大HPの16分の1ずつ回復する.

サン・ムーンより「やけど」によるターン毎の被ダメージが最大HPの8分の1から16分の1に下方修正されたため,相手を「おにび」にて「やけど」状態にしても意味がない.このことを知らなかったため,今大会では「たべのこし」を持った耐久ポケモンを突破することが容易ではなかった.

「どくどく」を覚えたムウマを連れておく必要があるのかもしれない.

「ノーマルZ」

変化技の分類において「ノーマルタイプ」が目立っていることが,所持数が多い理由だと思われる.今大会「ノーマルZ」の多彩な追加効果に翻弄されることとなった.

例えば,Zクリスタルに「トリック」をしても不発に終わる.そのため,今大会「たくわえる」をしてくるポケモンは非常に厄介であった.『りん』を出して「トリック」で「こだわりメガネ」を押し付けて機能不全に陥らせようとしてもそれができず,そのまま詰み終わってZ「たくわえる」発動によるHP全回復.やるせなさがこみ上げてくる.

また,Z「おいわい」で全能力が1段階上昇することに苦汁を飲まされることが多くあった.特に「シェイミ」に「こごえるかぜ」を入れて素早さを逆転しようとしても,Z「おいわい」を決められてしまいボコボコにされることもままあった.

「とつげきチョッキ」

 この持ち物は変化技が出せなくなる代わりに特防が1.5倍される効果を持つ.

ランドロスは,本来「こごえるかぜ」で確定2発なのだが,それを乱数2発,耐久調整が施されている場合確定3発となってしまう.「こごえるかぜ」で素早さを逆転させ,4倍弱点で押し通せるという甘い考えは捨てたほうがいいかもしれない.

 また,エンテイやガオガエンなど「ほのおタイプ」のポケモンで,HP・攻撃・特防が高いポケモンが持っていた場合は「おにび」を通すことができないことに加えアイテム補正の結果「たたりめ」で押せない(特にガオガエンは「あくタイプ」を複合させているため).「やけど」状態にさえすれば攻撃火力を下げてその場に居座り,押し切ることができるのだが,それが不可能になってしまうことは歯がゆい.

 この持ち物のせいでムウマにさらに逆風が吹いているかのように叙述したがそうではない.というのも,相手側は持ち物の制約上こちらを殴ることしかできないので,「みちづれ」で共に逝きやすくなった.

つまり,この持ち物を持っている可能性の高いポケモンを警戒して選出のタイミングが読むことさえできれば共に逝くことが可能である.まあ,そんなことができるかどうか定かではないが…….

合間にウルトラスーパーハイパーチャレンジにおける雑感 その4 日食ネクロズマ,月食ネクロズマともにすばやさ種族値77であり,本来ならばムウマがすばやさ>種族値85で優っている.だのに,問答無用でウルトラバーストして華麗に抜き去ってくる.口惜>しいったらありゃしない.

5.各ムウマ統一の注力事項

まず,前大会閉幕後から今大会開幕までの間にムウマに起った変化について述べる.

一つ目は,他のポケモンにも言えることだがウルトラサン・ウルトラムーン発売に伴う教え技の解禁である.これによってムウマが新規に獲得した技は「サイドチェンジ」であるが今大会では使用してないため,記述は控えておく.

注目した教え技は「よこどり」である.理由としてはこの技は優先度が+4と高く,その上Z技で繰り出すと素早さの能力値が2段階上昇する効果が付与される.これによりミミッキュが「つるぎのまい」を舞ってくることを読んで横取って攻撃能力を上昇させず,次のターン先制で「おにび」を撒き,ミミッキュを無力化する夢を見た.よってムウマ統一UMに『めぐみ』を投入した.

二つ目は,ニンテンドー3DSバーチャルコンソールにて「ポケットモンスター金・銀(配信:2017年9月22日,ポケモンバンク対応:同年11月10日)」と「ポケットモンスタークリスタル(配信・ポケモンバンク対応:2018年1月26日)」が登場したことである.これにより長らく第二世代でのみ覚えることができた幻の技「でんじほう」を,ポケモンバンクを経由することで第七世代にて使用することが可能になった.今大会は「なんでもあり」ルールであり,ゲームボーイマークのポケモンも使用できるため,これはやるきゃっない.ということでムウマ統一USに『てった』を投入した.

この二体のムウマは優先的に対戦に投入してみたが感想としては,あまり想定とした動きができなかったというのが率直な感想である.

『めぐみ』に関してはミミッキュに特化しているところがあり他のポケモンとの相性があまり良くなく,ミミッキュを初手読みして先発にしてもミミッキュを初手に出されることがなかったことも辛かった.

また,Z「よこどり」の素早さを2段階上げる効果は素晴らしいのだが,肝心の横取れる変化技を使ってくるポケモンはそうおらず大抵殴られてしまうことが多かった.いたとしてもしっかり読み切れない試合が多々あり,使用感は厳しいものとなった.

『てった』に関しては強くはあった.というのも「こらえる」からの「カムラのみ」発動にて素早さが一段階上がってからの「みちづれ」のコンボが決まって最低限一匹は持って逝けたからである.しかしながら,想定としては素早い相手に対して一発目の「でんじほう」を外したとしても「カムラのみ」さえ発動すれば二発目の「でんじほう」を打ち込む算段だったのだが,実際その場面に出くわしても「でんじほう」を透かしてしまうこと,「みちづれ」をせざるを得ないことも多々あった.

合間にウルトラスーパーハイパーチャレンジにおける雑感 その 5 ウルトラサン・ウルトラムーンの教え技には「テレキネシス」があるため,覚えさせて「でんじほう」を打った方がいいのだろうとは思う.だが,そんなことをすればロマン砲ではなくなるではないかと言うジレンマを抱えてしまっている自分もいる.

各ムウマ統一が相対した種族統一

今大会中,ムウマ統一が相対した種族統一は下記の通りである.

ムウマ統一USにて

ジュカイン統一,フライゴン統一,エネコロロ統一,エルレイド統一,シェイミ統一,カイリキー統一,カメックス統一,ブースター統一,ナマズン統一,トリトドン統一,アシレーヌ統一,デデンネ統一

ムウマ統一UMにて

サザンドラ統一,ジュカイン統一(不同上),ランターン統一,トリトドン統一(同上),マニューラ統一,フィオネ統一,グライオン統一,アンノーン統一,ルージュラ統一,ハリマロン統一,ゼブライカ統一,ブラッキー統一,ネイティオ統一,フワンテ統一,デンリュウ統一,ヌオー統一

の計26種の種族統一と相見えた.

これらの統一について対戦結果と簡単な所感を述べて紹介していこうと思う.

ムウマ統一USにおいて

ジュカイン統一

勝敗:負け

所感:初手「こごえるかぜ」をして抜くことを考えていたら,ジュカインが「でんきだま」をなげつけてきた.正直恐れ入った.このジュカイン自体は突破出来たもの,次鋒が問題であった「クサZ」持ち「ハードプラント」覚えたジュカインでZ技「ブルームシャインエクストラ」に一匹吹き飛ばされ,「ハードプラント」にて叩き潰され,無残に二タテされ敗北したのである.

フライゴン統一

勝敗:負け

所感:「りゅうせいぐん」を「さきどり」できたので悔いはない.互いにラスト一体になったときには,こちらは「こだわりスカーフ」で「さきどり」に縛られた状態であったため,「ドラゴンクロー」を先取って「ゴツゴツメット」が発動しムウマが倒れていく姿は印象深かった.

エネコロロ統一

勝敗:負け

所感:まず,なによりもサン・ムーンにおいてエネコロロの素早さ種族値が70→90に変更され素早さの関係が逆転したこと, エネコロロの「こだわりメガネ」による「シャドーボール」は侮れなかったこと,「でんじほう」を当てることができなかったことが,勝敗が決した.

エルレイド統一

勝敗:勝ち

所感:メガエルレイドがいつ来るのかが一問題で,初手か温存してくるか.初手読みした.的中して本当によかったと思う.『Alexandre』くり出せたことが一番の勝因であった.

シェイミ(ランド)統一

勝敗:負け

所感:ムウマの火力では微々たるダメージを与えることができなかった.ひたすら「シードフレア」→「こうごうせい」の繰り返しで撃沈され,最後にはZ「おいわい」されて蹂躙された.

カイリキー統一

勝敗:負け

所感:初手のカイリキーが「ゆびをふる」から繰り出された「みずしゅりけん」が完全にあ…なんでもないです.

やはりカイリキーのHP90特防85種族値は馬鹿にならない.当然のことながらムウマの「サイコキネシス」では押せなかった.なによりも特性「ノーガード」しかいないだろうと思っていたことが敗因であろう.「でんじほう」打ち放題ではという甘い期待は儚く散った.

カメックス統一

勝敗:負け

所感:この試合最大の失態は相手のカメックスの「ものまね」で「みちづれ」を習得させてしまったことである.この「みちづれ」により翻弄され最後にはメガカメックスに綺麗に蹂躙された.

ブースター統一

勝敗:負け

所感:「こだわりスカーフ」持ちの「フレアドライブ」恐るべし(いろんな意味で).

このブースターに一匹目は敢え無く消し炭にされてしまったが,次鋒の『てった』が「こらえる」にて「カムラのみ」を発動させ,反動ダメージで程よくHPが削れていたため「シャドーボール」で突破,相手側の次鋒を「みちづれ」で持って逝けた.

さて,ラスト一体どうし相手側の「あくび」によって誘引された眠りから目覚めることなくムウマは召された.

ナマズン統一

勝敗:勝ち

所感:初手相手側は「あまごい」,こちら側は「わるだくみ」.この無傷で積めたことが大きな勝因となった.

トリトドン統一

勝敗:負け

所感:「たくわえる」トリトドンを突破できなかった.「どくどく」→「じこさいせい」の繰り返しが辛かっただけではなく,Z「たくわえる」のHP全回復には絶望しかなかった.

こちらの降参にて試合終了である.

アシレーヌ統一

勝敗:負け

所感:相手のPTすべて♀であったことにまず驚嘆した.初手こちらの「でんじほう」外しからの相手側「ミストフィールド」によって勝敗は決したと言ってよい.

相手側の色違い「わだつみのシンフォニア」は圧巻であった.

デデンネ統一

勝敗:負け

所感:ムウマより素早いポケモンに「みがわり」張られたら詰みました その1.

「みがわり」からの「どくどく」を許したら最後,あとはじわじわなぶり倒されるしかない.

ムウマ統一UMにおいて

サザンドラ統一

勝敗:負け

所感:相対したとき,絶句しかなかった.この試合一番の見どころはムウマの「マジカルシャイン」では3分の1程度しかダメージを与えられなかったことである.

あとから判明したことだがどうやら相手のサザンドラは「とつげきチョッキ」を持っていたようである.

ジュカイン統一

勝敗:負け

所感:ジュカインは「こごえるかぜ」で素早さを下げても抜けない,メガシンカすると特性「ひらいしん」のため「でんじは」を迂闊に撒けないことが厄介な点である.

この状態で「やどりぎのタネ」をされたらもうたまったものではない.

ランターン統一

勝敗:勝ち

所感:「シャドーボール」の追加効果(特防を一段階下げる)発動が目立った試合.そのおかげでノーマルZ持ち「たくわえる」のランターンを突破で来たことが大きな勝因である.

マニューラ統一

勝敗:負け

所感:ムウマより素早いポケモンに「みがわり」張られたら詰みました その2.

まず,マニューラの特性が「プレッシャー」で「みがわり」→「まもる」→「うずしお」と技が繰り出された段階で「あっ詰んだ.負けしかない.」とじり貧で敗北することを悟った.

こちらの降参にて試合終了である.

フィオネ統一

勝敗:負け

所感:相手の方に大変失礼なのだが,正直申し上げよう対戦の途中までマナフィであると錯覚して戦っていた.「あまごい」からの「アクアブレイク」は凶悪であった.

また,フィオネの特性が「うるおいボディ」であることもすっかり忘れて「でんじは」打ったことはお恥ずかしい限りである

グライオン統一

勝敗:勝ち

所感:相手側は「いばる」からの「かげぶんしん」をしてきたためこれはまずいなと思ったが,『れいか』は物ともせず「こごえるかぜ」にて押し切れたことは印象深かった.

アンノーン統一

勝敗:勝ち

所感:「こだわりメガネ」の「シャドーボール」で押し切った試合であった.

ルージュラ統一

勝敗:勝ち

所感:「かげうち」で押し切った試合であった.

ハリマロン統一

勝敗:勝ち

所感:ハリマロンの隠れ特性「ぼうだん」で「シャドーボール」を無効化できるため侮れない相手である.この試合では『れいか』の「こごえるかぜ」と『いつき』の「つばめがえし」で押させてもらった.

ゼブライカ統一

勝敗:負け

所感:相手側の「どくどく」でムウマが二体「どく」状態にされ交換を繰り返しながらじわじわ責めつつ,ここぞというときは「デンキZ」で「スーパーキングギガボルト」で決めてくる.攻めと受けを見事に両立され敗北した.

ブラッキー統一

勝敗:負け

所感:個人的にはこの試合が今大会中一の名勝負だったように思う.

まず,「バークアウト」をしてくるブラッキーを『れいか』の「みちづれ」にて持って逝った.次に『グレン』が「テレキネシス」からの「れんごく」,相手の特性「シンクロ」によって両者「やけど」状態に,相手側は「いばる」「イカサマ」戦法であったためブラッキーの「やけど」状態とムウマの攻撃火力の無さにより「イカサマ」でのダメージは微々たるものに,「たたりめ」と交換によって押し切ることができた.

最後のブラッキーが出てきた時点でこちら側ムウマが二体,場には「めぐみ」が出ていた.HPが半分以下であったため「いたみわけ」,相手側「イカサマ」.

ダメージから交換しても大丈夫,『グレン』で「れんごく」当てればよいのではと判断して交換した(今思うとこれが敗因だったように思う).

だが,予想に反して「イカサマ」にて『グレン』は撃沈.「めぐみ」で「おにび」を打たざるを得なかった.「いたみわけ」と「たたりめ」を駆使してなんとか食らいついたが,Z「おいわい」で全能力を一段階上げ,さらに「つきのひかり」を持っていた.これを見た瞬間は絶句したが,こちらには「よこどり」があることに気づき希望に変わった.

まあ,結局は「よこどり」を決められず,相手側のブラッキーは「やけど」のダメージ分くらいの僅かなHPを残して悔しくも敗北した.

ネイティオ統一

勝敗:勝ち

所感: 一体目のネイティオは『いつき』の「しっぺがえし」と「かげうち」で撃破.

二体目は「こだわりメガネ」同士の「シャドーボール」対決となった.結果としては『アグリ』はHPを僅かに残してネイティオを撃破.最後のネイティオはこちらのHPがわずかであること、安定技を重視したのか「くさむすび」だがこれでは『アグリ』は落ちず「シャドーボール」を打てた.これが勝因となった.

フワンテ統一

勝敗:勝ち

所感:まず,『いつき』が一体目を撃破,二体目のHPを半分まで削って相手のZ技で撃沈された .次鋒の『れいか』が「こごえるかぜ」にて押し切って勝った.

デンリュウ統一

勝敗:負け

所感:初手のデンリュウが「ひかりのかべ」をしてくるだろうと意気揚々と『めぐみ』を選出,「よこどり」をしようとしたところ「10まんボルト」を打ち込まれた上に「まひ」状態に陥り,そのまま撃破される.次鋒の『れいか』にて「おきみあげ」をしたが今考えると悪手以外の何物でもなかった.

ヌオー統一

勝敗:勝ち

所感:今大会一の珍事が起こった試合である.それは相手側のヌオーが「まもる」を三連続で成功させたことであろう.このため「やけど」のダメージをそっくりそのまま「たべのこし」で回復するループが起こった.

合間にウルトラスーパーハイパーチャレンジにおける雑感 その6 前大会にて対戦した御仁と再び対面するとは思っていなかった.フワンテ統一使いである.約1年越しのランダム対戦において再戦できた,はしゃぎたくなるような嬉しさは忘れることができないだろう.

7.大会総括

前大会は45戦では満たされない感じがしていたため,今大会では調子に乗ってウルトラサン・ウルトラムーン各々で参加して計90戦行った.急き立てられる三日間であった.1日1ソフト15戦が想定していたよりも時間がかかり,『千載一遇のチャンスなのに,90戦できそうにない!やばい!兎に角こなしていかないと』という強迫観念に襲われてしまったことで,対戦数を消化することだけ考えていたように思う.これは反省すべきことである.大会が終わってみて振り返ると,4日目の朝が存在することを認識していなかった.つまり,3日間+αで時間には余裕があった.もうちょっとゆっくりやることができた.また,『消化できなくてもともと』という心の余裕を持つべきだったのだ.

だが,そんなしんどい思いをしたからこそ,バラエティにとんだ通常PTたちと対戦できたのである.多種多様なPTにもみくちゃにされて,ボコボコにされて,ムウマを魅せてこそ対人対戦におけるスキルアップが図れるというもの,そういう意味ではムウマ統一で90戦できたことは嬉しいことである.種族統一においては普段見かけない,おそらく初々しい統一に多く見かけることができた.これからの種族統一界隈が楽しみである.

このように今大会はしんどくも面白い大会であった.

ウルトラサン・ウルトラムーンの世代において今一度今大会のような大会が開かれんことを切に願って筆を置くこととする.

8.おまけ

私の拙い画力でプラチナのムウマを再現してみた.

4-07-12