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ShuzokuTouitsuJournal

種族統一論文とりまとめ用

ジュカイン統一パ考察案

ジュカイン統一パ nizi

1.はじめに

ニコニコ動画に投稿されている「一種類へのこだわり」というタグがついたバトレボ[1]動画を皆様はご存知だと思われる.本来,ポケットモンスターにて対戦をする場合は,苦手なタイプのポケモンとの相性を補完するなどの目的で別々のポケモン6匹でパーティを組むのが一般である

それらを捨てて,あろうことか同じポケモン6匹で パーティを組む.それが種族統一である.筆者自身もジュカイン6匹でバトレボのランダムマッチの海に飛び込んでしまった結果が現状である.「同じポケモン6匹いれば統一」「調整?正直面倒くさい」と考えなしでポケモンを遊んでいる節もあり不安ではあるが,本稿では,約8年間,筆者がジュカインを使用した経験をもとに解説を行う.

2.ジュカインの基礎

以下に,第7世代におけるジュカインに関する基本的な情報を表1に記載する.なお,メガシンカをしたメガジュカインに関しては後述する.

表1.ジュカインの基礎情報

タイプ くさ
通常特性 しんりょく
夢特性 かるわざ
HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早さ
70 85 65 105 85 120
体重 52.2kg けたぐり,くさむすびは80
卵グループ 怪獣,ドラゴン

3.ジュカインの素早さ

3.1 はやいぞー,かっこいいぞ!!

素早さの種族値 120.これがジュカインというポケモンの最大の強みと言える.これは,素早さに上昇補正と努力値を252振った最速ジュカインの場合,同じく最速で「こだわりスカーフ」を持たせたバンギラス(素早さ 種族値61)に先制できる速さである.

素早さに補正をかけない性格を選んだ場合でも,最速 105 族(ライボルトやゾロアーク,ストライク等) と同等の値となる.

先手をとれる.これは種族統一戦にあたって非常に 大きく,生半可な素早さではスカーフを使用した場合 でも追いつかれない.素早さの低い種族統一の場合,大きなプレッシャーになると思われる.

しかし,種族値の配分が大きく素早さに割かれているため,先制できない場合には苦戦を強いられることになるので,慢心はしないようにすること.

3.2 最速の御三家?

以前は,ジュカインが最速の御三家だったが,ゲッコウガの登場により素早さの種族値では敗北してしまった.しかし,条件さえ整えば全ポケモン最高クラスの素早さをたたき出すことが可能である.そう,夢特性「かるわざ」の存在である.

第5世代の攻略本として発売された『ポケットモンスターブラック・ホワイト 公式完全ぼうけんクリアガイド』[2]の初回特典として,夢特性のホウエン御三家がもらえるシリアルコードが封入された.「かるわざ」キモリは,そのシリアルコードからランダムで入手することができる.当時は,「かそく」アチャモが注目の的で「かるわざ」キモリはハズレ扱いされていたのではないだろうか.

また,ジュカインはレベル技で「こうそくいどう」を習得するため,「かるわざ」状態+素早さのランク補正6という驚異的な状態になることも不可能ではない. (もちろん,このような状況を作り上げること自体が至難の業ではあるので,小ネタ程度にとどめておいてほしい)

3.3 「かるわざ」について

第4世代の頃のジュカイン統一の課題の一つとして,相手の素早さに補正がかかる特性や技への対策があった.相手の「かるわざ」,天候により素早さが2倍になる「すいすい」「ようりょくそ」のような特性,そして,「おいかぜ」の存在である.

「かるわざ」に関しては,当時「かるわざ」を持っていたのがフワンテ,フワライドのみであり,少し特殊な対策であるため,ここでは割愛する.

3.3.1 相手の素早さ上昇対策

天候操作により素早さを上昇させるポケモン,「おいかぜ」を使用するポケモンに対しては,以下の方法で対策を行っていた.

対策その1:天候技を使わせる前に倒す

最も簡単な対策だが,これは「きあいのタスキ」や耐久調整等で相手も対策済みなことが多いため,うまくいかないことが多い.当時は思いつかなかったが,「きあいのタスキ」相手なら,「なげつける」で「おうじゃのしるし」「するどいキバ」を投げつけて対処することができたかもしれない.

対策その2:妨害する

「くさぶえ」「いばる」等で天候技の発動を抑え込む,天候技を発動させた場合は「にほんばれ」の使用で天候を上書きする,耐久型を使用したターン数稼ぎをする,といった方法で妨害を行う.有効な手ではあるが,戦況において対処させる側ではなく対処する側になり防戦に回ってしまうため,できれば避けたい方法である.

対策その3:すばやさをあげちゃう

基本的に「あまごい」等で天候操作するのに1ターン使用するので,そのタイミングで「こうそくいどう」をしてしまう.メタとしての要素が強いが,立ち回り次第では「かそく」持ちのメガヤンマやテッカニンにも勝ちうる方法である.問題点としては,対策するために,こちらも1ターン使用してしまうことだろう.

第4世代では上記のような対策を行っていたが,時代は進み,第5世代から実装された夢特性「かるわざ」により革命が起こったのだ.また, 第5世代には,対応したタイプの技を使用することで消費され,技の威力を1.5 倍にする各種「ジュエル」の存在もあり,「かるわざ」の発動が容易であった (ジュエル返して).第7世代では「ノーマルジュエル」のみとなってしまったが,道具を消費するだけで,ターンを消費せずに「かるわざ」を発動できるというのは非常に大きい.余談ではあるが,「はたきおとす」で道具を失った場合は消費されたという判定になり,「かるわざ」の発動条件を満たせる.「はたきおとす」をジュカインに使用する場合 は少し考えたほうがいいかもしれない.

3.3.2 「かるわざ」のすすめ

「そこまで素早さがあるなら,努力値の調整ができるんじゃない?」と思った方もいらっしゃるのではないだろうか.大正解である.だだし,種族統一戦を行う際は,特定のポケモンに対しての対策を講じるという状況が多々ある.基本的に対戦するポケモンに合わせる形がベストだが,毎回そういうわけにはいかないのも現実であろう.そこで,パーティ変更や,事前の対策ができない場合の『おすすめの「かるわざ」ジュカイン』のすばやさ調整を2つ提案する.

① すばやさ上昇補正&努力値252

すばやさこそ正義.実際,変に調整してしまい「かるわざ」を発動させられない状態でそのまま倒れて しまう場合も多いため,一番使いやすく安心はできる.

②すばやさ上昇補正&努力値 104~お好み

手抜きにしか見えない?割とそうでもないのです.

上記の状態で「かるわざ」が発動した場合,最速で「こだわりスカーフ」を持ったフェローチェをわずかに上回ることができる.なお,フェローチェを基準にしたのは,フェローチェ以上の速さのポケモンが少なく,汎用性を考えた際に他の箇所に努力値を回したいと考えたためである.

「かるわざ」が発動してない場合は以下の速さになる.

素早さの努力値が108

準速101族(霊獣ボルトロス等)と同速

素早さの努力値が116

準速102族(ガブリアス)と同速

筆者のジュカイン統一の場合では,性格ようきの素早さ努力値 104 で使用することが多い.

これは先に出すジュカインがサポートしてくれることにより,「かるわざ」の発動が確実であること前提にしているためである.

3.3.3 「かるわざ」発動のおすすめアイテム

「かるわざ」を発動させる際に,使い勝手が良かった手段,道具を紹介する.

① なげつける

一部の種族統一勢からなげつける大好き人間と呼ばれたこともあるぐらい愛用している技の一つ.

「おうじゃのしるし」「するどいキバ」をなげつければ疑似的な「ねこだまし」として使用することができ,更に「かるわざ」まで発動させることができる.「なげつける」を使用するにあたっては,以下のような流れになれば理想的である.

(1) 初手「きあいのタスキ」持ちの相手と対面

(2)「なげつける」の怯みで「きあいのタスキ」を処理しつつ「かるわざ」を発動

(3) 撃破

(4)「かるわざ」による素早さ上昇で,相手の後続

にいる「こだわりスカーフ」持ちを処理

他には,相手をやけど状態にさせる「かえんだま」や,麻痺状態にさせる「でんきだま」, トリックルームへの保険となり瞬間的ではあるが「なげつける」の火力を出せる「くろいてっきゅう」などを使用することが多い.

また,「なげつける」が便利な場面として,種族統一でダブルバトル,マルチバトルを行った場合が挙げられる.『味方に「カムラのみ」のような能力上昇の木の実をなげつけ,自身も「かるわざ」を発動させる』というコンボもできるため,非常に汎用性があり便利である.さらに,味方の特性が「せいぎのこころ」なら,「なげつける」があくタイプ技であることにより,攻撃のランクを上昇させることもできる. 「かるわざ」の有無関係なしで,種族統一を始める場合にお勧めしたい技の一つである.

② レッドカード

攻撃技を受け,耐えることができた時点で「かるわざ」発動条件を満たせる.発動条件が優しい上,強制的に相手を交換させることにより,積み技やみがわりの強制解除や,予期せぬ交代により相手の戦術を根幹から崩しうる便利な道具である.相手がラスト一匹になってしまった場合は機能しないので注意をすること.

③ グラスシードを始めとしたシード系の道具

ジュカインは遺伝技により「グラスフィールド」の習得が可能である.「グラスフィールド」の状況下で「グラスシード」と「かるわざ」が発動した場合,以下のような状況になる.

●防御1段階上昇

●草技1.5倍の補正

●「かるわざ」により素早さが2倍

●体力の自動回復

●一部地面技のダメージ半減

「グラスシード」は「グラスフィールド」の状況下では即時発動されるため,待機戦で積みの起点にすることも可能である.

問題点としては,「グラスフィールド」の恩恵を相手も受けることである.生半可な攻撃では「グラスフィールド」の回復で仕留めきれない可能性も十分ありうる.また,一部の地面技が半減されることを知らずに,『ウルトラスーパーハイパーチャレンジ』にて, 自分で使用した「グラスフィールド」で相手のヒードランへの「じしん」を半減させてしまうというギャグみたいな失敗をしてしまったので,注意すること.

残りのシード系に対しては各カプ系を始め,種族統一ダブルバトル,マルチバトル,またピンポイントではあるが相手がフィールド系の技を使用する読みで入れてみても面白い.

④ 各種木の実

ベタではあるが,各種半減実や能力上昇実も有用である.能力上昇系については「みがわり」等で発動条件を調整してあげる必要がある.きのみの種類が多いため,用途に合わせて使用をすること.また,「しぜんのめぐみ」を使用する場合にも必須になる.

⑤ メンタルハーブ

「リーフストーム」と合わせて運用することで発動条件を満たしつつ特攻2段階ダウンを一度だけ無効にするという使い方が一般的だが,ジュカイン統一においては,それよりもずっと重要な使い方が存在する. 素早さをランクダウンさせてくる技に対して使用することである.ジュカイン統一を使用する際に,足止めとして「がんせきふうじ」「こごえるかぜ」が使用されるケースが極めて多く感じる.その中でも特に凶悪なのは「ねばねばネット」である.場に出た瞬間に素早さを下げられてしまい,そのまま3縦コースもありうる.メタの要素が多少強くもなるが無視することのできない問題である.導入する価値は十分にあると思われる.

⑥ じゃくてんほけん

半端な火力の弱点技に対して非常に有効.発動した時点で攻撃,特攻,そして「かるわざ」により素早さを実質2段階上昇させることができる.強力である反面,ジュカインの耐久ではやや不安であるケースが多く,相手に能力の下方補正を事前にかけておく等の下準備が必要となる.

⑦ きあいのタスキ

種族統一の重要アイテムの一つ.「かるわざ」で使用する場合は,「きあいのタスキ」が消費されない等の悲劇を少しでも避けるため,ジュカインの耐久を可能な限り下げておくことをお勧めする.

(一部の変則的な使用方法は例外として) もちろん,発動した直後はHPが1になっているため,先制技等に注意をすること.余談だが,強力なタスキカウンター型と道具の奪い合いになってしまう問題もある.

他にも様々な道具があるが,基本的には今挙げたものを使用するケースが多いと思われる.もちろん,事前情報ありのメタ合戦の場合はケースバイケースで選ぶことになる.「かるわざ」は発動させる方法から発動させた後まで,非常に広い可能性を提示してくれる素晴らしい特性ではないだろうか.ジュカイン万歳!!!

3.4ジュカインへの速さ対策への対応

現実は甘くない.種族値の配分において素早さの比率が高いということは,他の御三家に比べて他の種族値配分の比率が低いということである.また,「かるわざ」がうまく発動する保証もない.相手側なら必死に阻止するであろう.そこで,相手の速さ対策と,それに対してジュカインが取れる対策の例を紹介する.

① トリックルーム

対ジュカインの決定版ともいえる技の一つ.自慢の素早さが逆に足枷になってしまう.ジュカインが「ちょうはつ」を習得しないため,阻止する手段が限定されてしまう.耐久型で時間を稼ごうにも,その間は相手に先制されてしまうので,かなり苦しい展開になる.後攻「がむしゃらに」よる対処も可能ではあるが,苦しいのは変わらない.「トリックルーム」を習得するポケモンも多く,永遠の課題である.

「トリックルーム」をピンポイントで予測するなら,最遅ジュカインに「くろいてっきゅう」を持たせるという手段が存在する.その場合,無振 36 族(ミノマダム等)と同速になる.最遅「くろいてっきゅう」で対処できる種族統一も存在するが,相手の「トリックルーム」に依存してしまうというリスクや,より遅いポケモンに対しては「くろいてっきゅう」をもっても先に行動できないという事態に陥る.具体的に言うと,「トリックルーム」状態では,ドータクンやランクルス,デスカーンなどに対しては「くろいてっきゅう」を持ったとしても先に動けないのである.

② 先制技,および,先制できる特性

ファイアローの特性「はやてのつばさ」を筆頭とした優先度の高い技は,素早さに関係なく襲ってくるので危険である.同様に,補助技限定ではあるが「いたずらごころ」等も要注意である.

ジュカインは先制技として「でんこうせっか」を習得できるが「フェイント」は習得できないため,素早さで勝っていても殴り負けることが多々ある.「しんそく」「ふいうち」のような火力を出せる先制技,「バレットパンチ」「こおりのつぶて」のような高火力のポケモンが使用したり,ジュカインの弱点をつけたりする先制技では状況によっては致命傷になりうる.

習得するポケモンが少ないのが救いではあるが高威力かつジュカインの弱点をつける「であいがしら」の存在も恐ろしい.とはいえ,「であいがしら」は登場したターンにしか使用できないので,「ファストガード」で防ぐという方法で対処できないわけでもない.「はやてのつばさ」に「体力が満タンの時」という条件がついたとはいえ,飛行技に優先度を付与できるファイアローに至っては「きあいのハチマキ」が発動することが最低条件になるレベルの辛さである.

③ 素早さをランクダウンさせる技

素早いポケモンに対して,一番簡単で効果のある方法である.攻撃技の追加効果の場合,火力がないため「きあいのタスキ」つぶしを兼ねて,という形で使用されることが多いが,「こごえるかぜ」にいたっては効果が抜群なのもあり,ジュカインに対するダメージソースとして十分である.特に「ねばねばネット」は,一度使用されると登場のたびに素早さをさげられてしまうので,ジュカイン統一相手に非常に有効である.

ジュカイン側が取れる対応は,「メンタルハーブ」や「じゃくてんほけん」を使用して「かるわざ」を発動させ,素早さの逆転を防ぐことである.

④ 麻痺技

素早さの逆転を狙う.その際,最も手ごろな方法として相手を麻痺状態にすることがあげられる.しかし,麻痺が飛んできたのは昔の話.元々「みがわり」で簡単に対処できるというのもあるが,第6世代でメガジュカインが解禁されたことで特性「ひらいしん」を警戒され,第7世代で麻痺状態の素早さ低下が1/4から1/2になり大幅に弱体化したのもあり,今となっては見ない技になってしまった.しかし,使用されることもあるので注意は十分必要である.

⑤ 「かそく」に綱渡りを強いられているんだ!!!

ターン経過だけで素早さが上がる特性「かそく」. 恐ろしいことに,ほとんどの「かそく」持ちポケモンがジュカインに対して一致抜群を与えることができる.メタが許されない場合は「きあいのハチマキ」に祈るしかなくなってしまうだろう.

「かそく」側の「まもる」に対して「こうそくいどう」を使用する,「ほえる」や「レッドカード」で交代させる,などの手段はあるが一手でも間違えればアウトであるため安定した戦績は難しい.だがそれがいい.

⑥ かるわざ?強制交代でどうぞ

ジュカインの「かるわざ」が発動してしまった.その場合は,落ち着いて「レッドカード」や「ほえる」で交代させて解除を狙いましょう.一度交代した「かるわざ」は後から出てきでも意味を成しません.

「かるわざ」を持った種族統一同士のバトルを行う 場合も,この方法が有効的である.実際,過去に「かるわざ」がある種族統一と対戦した時は,相手の「かるわざ」を妨害し,いかに自分の「かるわざ」を発動させるか,という状況になった.特に,筆者のジュカイン統一の場合,積み技を使用することが多い傾向があったためか,某カメックス統一の方とお話しする機会があった際に「ジュカインが相手の時は,とにかく積ませないことを考えている」と伺ったこともある.

⑦ そのほかの対策

対策のしようがないが,「せんせいのつめ」の発動を狙うのも手である.ギャンブルではあるがそれもポケモンの醍醐味の一つであろう.第7世代では未解禁であることが悔やまれるが「イバンのみ」による先制も有効である.また,素早さが高いのが災いして 「ジャイロボール」のダメージ量も多くなるケースがある.

4.ジュカインの火力

4.1 攻撃について

ジュカインの攻撃の種族値は85である.種族統一としては高い水準とも言えなくはない.具体的に言うと,ラプラスやべロベルトと同じ値である.積み技や特性「しんりょく」を活かせば強力な物理技を打つことができる十分な値ともいえる.しかし,言い換えれば積み技や特性を活かす,弱点をつく,道具に頼る等しなければ火力を即座に出すことが困難とも言える.具体例をあげると,攻撃上昇補正でA252振りのジュカインがそのまま放つ「リーフブレード」は,防御上昇補正でHB252振りされたヤドランに対して,4割ほどのダメージしか与えることができない.「いわなだれ」「アクロバット」を始めとした物理技のレパートリーが豊富ではあるが,4倍弱点を突かない限り,そのままの状態で倒すことが難しいのが現実である.4倍弱点でも相手の耐久調整次第では容易に耐えられてしまい,手痛い反撃をもらうことになるだろう.

物理攻撃に関して言えば種類が豊富で範囲も広く優秀ではあるが,中途半端で火力不足という印象は否めない.何かしらの手段で補填してあげる必要があるケースがほとんどである.

4.2 特攻について

ジュカインの特攻の種族値は105である.種族統一としてはやはり高水準の種族値である.具体的に言うと,ライボルト,ドンカラス,ユニラン,ケーシィと同じ値である(エスパー未進化勢強いな) .物理技に比べてややレパートリーは劣るが,「リーフストーム」や「きあいだま」のような高威力技の存在もある.即座に火力を出しやすい一方で,特攻のランクを上昇させる技が乏しい,「きあいだま」を始めとして全体的に命中が不安定,使用後に特攻2ランクダウンのデメリットがある「リーフストーム」,次のターン行動できない「ハードプラント」など,何かしらの問題を抱える技が多い.そのため,弱点を付けない状況ではやはり火力が足りないという物理技と同じ現象が起こってしまうケースが多い.物理技ほどではないが器用貧乏な印象を受ける(資沢言い過ぎかもしれない).

5.ジュカインの耐久

5.1物理耐久について

ジュカインのHPの種族値は70,防御の種族値 は65である.キリンリキとまったく同じ種族値であり,防御の種族値だけ見るとトゲピーと同じである.これは,サーナイトよりわずかに勝り,ヤドンに劣る物理耐久である.正直,改めて調べてみると筆者自身が硬いのか柔らかいのかよくわからなくなってきたが,基本的には柔らかいと考えてよいだろう.

バトレボの頃の出来事で例えると,攻撃上昇補正でA252振り,特性「はりきり」で「こだわりはちまき」を持たせたトゲキッスの「しんそく」(当時のトゲキッスはノーマル・ひこうタイプのため一致技)で,耐久無振りのジュカインが乱数1発(56.3%)である.

他の例では,攻撃上昇補正でA252振り,「こだわりはちまき」を持たせたマンムーの「こおりのつぶて」で,耐久無振りのジュカインが確定一発となる.耐久へ努力値を回さない場合は惨劇が訪れることになる.しかし,先制技ですら一撃で倒されかねない物理耐久を逆手に取って,「きあいのタスキ」と「カウンター」によるタスキカウンターが決まりやすいという利点もある.ジュカインの「カウンター」は,習得するのに第3世代ロムが必須となり育成の難易度が高いが,その分強力である.

「グラスシード」等で防御のランクを上げる,「やどりぎのたね」や「こうごうせい」,「ギガドレイン」を始めとした体力を回復する手段を使う,「かえんだま」を投げつけてやけど状態を狙うなどの方法で強引に物理受けをすることも可能ではあるが限界はある.メタを仕込める場合を除いては,強引に受けるより「カウンター」「がむしゃら」を決めたほうが利口であり,ジュカインの弱点ともいえる.

5.2 特殊耐久について

ジュカインのHPの種族値は70,特防の種族値 は85である.特防の種族値だけみるとサニーゴと同じ種族値である.これは,ムウマよりわずかに勝り,キマワリに劣る特殊耐久である.物理耐久と同じく,調べてみると筆者自身が硬いのか柔らかいのかよくわからなくなってくる.

対面した水タイプがサブウェポンとして搭載している不一致の氷技ぐらいなら安定して対処することができる.例えば,特攻無補正でC252振りのスターミーの「ふぶき」でも耐久無振りジュカインでも確定2発である(道具による火力補強がある場合は確定1発).相手が水タイプの場合,「ギガドレイン」「やどりぎのたね」により確定数をずらす手段も多いため,カタログスペック以上の耐久力を示してくれていた.

さらに,性別の条件が存在するが,「ゆうわく」が決まると強力な特殊受けとして機能する.Z技の登場により一度限りではあるが相手の特攻のランクを2段階さげ,自身の特防のランクを2段階上げることが可能である.特防上昇補正でHD252 振りしたジュカインで「Zゆうわく」効果を適用させた場合,特攻上昇補正の C252 振りのグレイシアの「ふぶき」ですら乱数4発に抑え込んでしまう.なお,グレイシアの場合,Z「おいわい」からの「こおりのいぶき」が飛んでくるので注意が必要)である.このように,例外は常に存在するが,もともと高い素早さにより先制して「ゆうわく」を決めることができるケースも珍しくな い.特殊耐久に特化させれば,物理耐久に比べて優秀といえる.

5.3 勝てばよかろうなのだあああ!!

耐久とはいうものの,必ずしもお行儀よく相手の攻撃に耐える必要があるわけでもない.高い素早さの種族値を生かして先に殴り倒したり,眠らせたり,ひるませたりすることも広義の耐久といえるだろう.「かげぶんしん」「ひかりのこな」「きあいのはちまき」などを使えば,どんな状況でも一発逆転が出来る!勝てばよかろうなのだあああ!筆者自身,ポケモン自体運ゲーでありそれも醍醐味の一つとして考えてある節もある.各々のポリシーや状況との相談にはなるが,このような手段をとるのも手である.皆さんもレッツゴー!楽しいポケモンライフ!

6.能力値についての総論

これまで述べてきたジュカインの能力値から,御三家特有の高種族値ではあるものの,素早さ以外は絶妙に足りない器用貧乏なポケモンという印象を持った読者も少なくないだろう.他のオンラインゲームに例えるなら,終始不遇職としての烙印を押されそうな感じ,という理解をしているかもしれない.

しかし,火力を補填してあげれば先手を取り一撃 のもとに葬り去ることも十分可能であり,不一致抜群 技ぐらいなら1発ぐらい耐えてくれる.火力を補填しなくとも,「やどりぎのたね」を始めとして優秀な補助技で徐々に削って,適正な時に適正な火力を叩き込んであげることもできる.仕留めるなら一撃,仕留めきれないならじっくりと焦らずにゆっくり立ち回ろう.

耐久面で触れたように,硬いか柔らかいかよくわからない耐久力のため,『途半端に強力な技を使用して,相手の能力上昇木の実の発圏内に入ってしまい,そこから3.縦コース』というのは,ジュカイン統一を使う上ではよくある話である.『密林の王者というより密林の狩人』というイメージも乙で,かっこよく最強に見える.

カスタマイズが効き,汎用性が高いため,種族統一としては極めて高い可能性を秘めうるポケモンである.

7.メガジュカインの基礎

以下に,第7世代におけるメガジュカインに関する基本的な情報を表2に記載する.

表2.メガジュカインの基礎情報

タイプ くさ・ドラゴン
通常特性 ひらいしん
HP 攻撃 防御 特攻 特防 素早さ
70 110 75 145 85 145
体重 52.2kg けたぐり,くさむすびは80
卵グループ 怪獣,ドラゴン

8.メガシンカによる変化

全身トゲトゲして尻尾をミサイルのように扱うらし いが,「ドリルライナー」のような技は追加で実装されていない.雀蜂◯公鞭のような専用技が欲しい.

というのは冗談として,従来の草タイプに加えて,ドラゴンタイプが追加されている.ドラゴンタイプが一致技になり,弱点だった炎タイプの技を等倍にすることができる.そして,本物の龍へと昇華するというのは非常に厨二心をくすぐる.

厨二心を大いに刺激してくれた時点で些細な話ではあるが,水タイプの技が4倍弱点になり,流行りのフェアリータイプも抜群になってしまう.メガシンカしない状態でも「こおりのつぶて」で致命傷を受けることは先述した通りだが,さらに脆くなった上に,メガシンカしているため道具で補助することもできない.でも厨二心をくすぐるのでヘーキヘーキ.いいね.

特性は「ひらいしん」.「でんじは」を始めとした電気技の抑止になる.メガシンカしなくとも存在するだけで相手の「でんじは」を抑制できる強力な特性である.ダブルバトルでの活躍も見込め,戦略の幅が広がったといっていいだろう.メガシンカすることにより密林の主が龍へと昇華し電すら支配した瞬間である!!! 強靭!無敵!最強!(海馬ボイス) (ちゃんと越冬できるんだろうかかなり不安)

9.メガジュカインの能力値

9.1 ゲッコウガより,ずっとはやい!!

メガシンカというカードを使用してしまったとはい え,素早さ種族値は145 となり,アギルダーと同じ素早さを獲得した.これにより,最速の御三家,最速のドラゴンタイプ,最速の草タイプと三冠を獲得したのである! 例を挙げると,素早さ上昇補正のS252振りメガジュカインは,最速スカーフカメックスよりも速くなる.また,素早さ無補正のS252振りの場合でも,素早さだけなら最速ファイアローに勝ることができる. 問題点としては,やはり道具を持てないことである.道具無しでは素早さを上げる手段が乏しいため,相手によっては「こだわりスカーフ」で先制され,「めざめるパワー(氷)」などであっさり処理されてしまうことも多いので慢心はしないこと.

9.2 逆鱗に触れると?

メガシンカすることで,攻撃の種族値は110になる.攻撃の種族値が同じポケモンは,ルカリオ,ストライク,ウインディなどが挙げられる.種族値が25の増強は強力ではあるが,道具で補完できない分,メガシンカ前とトントンという形になってしまう. メガシンカしても攻撃を上昇させる「つるぎのまい」の使用がカギを握ることになる.攻撃上昇補正 でA252振りしたメガジュカインは,攻撃無補正でA252振りしたガブリアスよりもわずかに攻撃の値が高くなる.この状況で「つるぎのまい」に成功した 場合,マニューラでも追いつけない剣舞ガブが爆誕することになる. 後述する型紹介でも記載するが,HB 特化したエルレイドやロズレイドであれば,「げきりん」で確定一発となる.ジュカイン同様に,メガジュカインにも「つるぎのまい」が欲しくなることは変わらないが,「つるぎのまい」後に得られる決定力に差が出てくる.

9.3 「いのちのたま」がいらなくなる?

メガシンカすることで,特攻の種族値は145となる.特攻の種族値が同じポケモンには,シャンデラやクワガノンが挙げられる. 特攻の種族値が40も増強されたことで,「いのちのたま」を持たせたジュカインの火力を上回ることがでる.また,シングルバトルでは相手への依存が大きいが,「ひらいしん」により特攻をさらに上昇させるチャンスもある.一方で,「いのちのたま」を持たせたジュカインの火力は上回るものの,「こだわりメガネ」持ちや「しんりょく」が発動した場合は,通常のジュカインのほうが火力を出せるため,パーティを組む際はよく考えることをオススメする.

9.4 耐久は高くなったけど脆くなった

メガシンカすることで,防御の種族値は75に増強されたが,HPと特防に関しては据え置きである.わずかに上昇したとはいえ,物理耐久はダゲキと同じである.炎技が等倍になったとはいえ,バシャーモやエンテイの「フレアドライブ」は物理耐久に特化しないと受けきることができないため,やるのであれば完全にメタ戦の世界のみである.加えて,氷技が4倍弱点になってしまい,天敵である「こおりのつぶて」により弱くなってしまった.道具を持つこともできないため,総合的に耐久能力は低下していると考えて運用するべきである.

10.メガジュカインの総論

以上の考察から,火力と素早さがワンランク上の存在となっていることがわかる.道具を持てない,4倍弱点の追加など問題点はあるが,器用貧乏さもかなり改善がみられる.卍解のような必殺技感覚で使っていくととても楽しい.使用を控える場合も,特性「ひらいしん」の存在により,相手の「でんじは」を始めとした電気技をけん制したり,氷技の採用を誘い「じゃくてんほけん」発動を狙ったりするなど,メガジュカインという看板だけでも大きな動きをしてくれる.

11.技の紹介

本章では,ジュカインが習得する技について,ジュカイン統一で使用する可能性のある技の考察を行う.

11.1 物理技考察

●リーフブレード

第3世代ではジュカインの専用技.威力90で急所への当たりやすさのランクが+1の効果が付いている.「リーフブレード」という技が最高にかっこいい!!!と思ったのがきっかけでジュカイン統一を始めた嗜好の一太刀.

バトレボの時は,ようきAS252 振りのジュカインが「つるぎのまい」を一回成功した状態で急所を引いた場合, 防御上昇補正でHB252 振りのハピナスに対して確定1 発をとれる火力があった(当時は急所ダメージが2倍のため).急所に当たらなかったとしても,確定2発を叩き込めるメインウェポン.

●いわなだれ

炎,虫,飛行等の不利な相性の相手に攻撃できるうえに,先手を取れば3割の怯み効果もあるというジュカインにとっての救世主的な技.種族統一を抜きにしても入れておきたい技である.怯み狙いで耐久型のウェポンとしても導入できる.「りゅうのい ぶき」の追加効果や,「でんきだま」を「なげつける」による麻痺で,怯みと相乗させて行動停止を狙うのもあり.

●アクロバット

持ち物がない状態で使用した場合威力110をたたき出せる素晴らしい技.草タイプに対しての切り札. 第5世代では「ひこうのジュエル」の存在もありフシギバナを確定1発,「つるぎのまい」に成功していた場合はローブシンにすら確定1発を取れる.

「ひこうのジュエル」の不在が大きく響いてしまってはいるが,それでも強力なメインウェポンであることには変わりない.

●つばめがし

威力60の必中技.回避率を上昇させる相手に対する使用が考えられる.Z抜で使用した場合,「Zアクロバット」を10だけ威力で上回る(「Z つばめがえし」は威力120,「Zアクロバット」は威力110).このわずか10の差により,攻撃無補正でA252振りのジュカインが,耐久無振りのエルレイドに攻撃した場合,「Zアクロバット」なら乱数1発(68.8%)となってしまうが,「Zつばめがえし」なら確定1発をとれる.10の差で泣いたり笑ったりするケースが多いポケモンでは馬鹿に仕切れないのではないだろうか.

●じしん

ヒードランや毒タイプのポケモンへ使用.不一致なので積み技や道具で補助はしっかり行うこと.「グラスフィールド」を使用した場合威力が減少するので PT構築を行う際は気を付けること.

●アイアンテール

フェアリー,氷タイプ対策.命中が75とやや不安ではある.Z技として使用する,または「つめとぎ」を使用することにより命中率を補正してあげるのも手の一つ.30%で相手の防御を下げる効果も良い.

●かみなりパンチ

安定して打てる電気技.電気タイプ4倍弱点のポケモンに使用する.また,「そうしょく」マリルリに対する重要な技にもなる.

●物理悪技

習得できる物理悪技として「かみくだく」「ぶんまわす」「じごくづき」「つじぎり」などが存在する (「おいうち」については後述する) .

汎用性を求めるなら防御低下も狙える「かみくだく」,急所を狙いたいなら「つじぎり」,封じたい特定の技があるなら「じごくづき」,種族統一のダブルバトル,マルチバトルなら,ケースによるが「ぶんまわす」.それぞれ特徴が異なるので,用途にあった技を採用しよう.

●おいうち

悪タイプの物理技の中でも異色の存在のため,別に記載を行う.相手が「先制技を使えるポケモンを温存する」等の理由での交代をつぶすことが可能.種族統一戦では見かけることは珍しいが,非常に面白い技の一つである.「とんぼがえり」や「ボルトチェンジ」,「すてぜりふ」にも「おいうち」の効果が適用される.また,第4世代では「みちづれ」を使用した次のターンに「おいうち」を使用してひんし状態にした場合「みちづれ」の効果が適用されてしまうが,それ以降の世代では適用されることがなくなったため,対「みちづれ」としても使いやすさが向上している.何より決まるとかっこよく,対戦相手への精神攻撃(種族統一勢特有のビンボイントな技が決まると笑いが出そうになるアレ)にもなる可能性がある.

●シザークロス

虫タイプの物理技.ダーテングやノクタスなどのメタに.バトレボの頃は草単タイプへのダメージソースとして使用した.

●でんこうせっか

ジュカインの貴重な先制技.タスキカウンター型のお供を始め,とどめの一撃としても使用する.

攻撃上昇補正でA252 振り,攻撃6ランク上昇の「でんこうせっか」で耐久無振りフェローチェがようやく確定一発になるため,火力に期待しないこと.

また,「フェイント」のほうが優先度が高いため,素早さの低いポケモンに対しても殴り負けることがあるため注意すること.

●げきりん

不一致とはいえ高火力のドラゴンタイプの技.攻撃上昇補正でA252振り,「こだわりハチマキ」を持たせたジュカインの「げきりん」は,耐久無振りパルキアを確定1発にできる.パルキアがHP252振りしていた場合でも乱数1発(12.5%)になる.フェアリータイプの登場によりやや使いにくくはなったが,半減きのみなどの道具の影響を受けにくいこともあり,「つるぎのまい」と組み合わせて強引に突破することも可能である.9章で先述したように,メガジュカインで使用した場合は,タイプ一致となり真価を発揮する.

●カウンター

物理耐久の低さ,素早さを逆転された場合,相手の高火力先制技などなどの状況を一瞬で逆転に導く重要な技.第3世代ロムが必要なため育成難易度は高めではあるが,種族統一をやる場合はぜひ用意したい.

特性「しんりょく」や「きあいのタスキ」とも相性が極めて良い.「きあいのタスキ」がなくても,耐久に回したり半減きのみを使用したりすれば,相手の攻撃をそのまま耐えて使用することも可能.第3世代厳選になってしまうため夢特性の「かるわざ」と組み合わせることができないのが非常に悔やまれる.「カウンター」型に関しては記述したいことが多いため,後述する型紹介で別途取り上げることとする.

●ばくれつパンチ

こちらも第3世代ロムが必須になる技.命中が不安定なうえ混乱の弱体化もあり安定性は無い.しかし,格闘技であることにより,氷タイプの「あられ」や鋼タイプの「すなあらし」など,厄介な天候技の発動を妨害しつつダメージを与え,相手に行動させずに立ち回ることも可能なハイリスクハイリターン技.感覚的には一撃技を打つぐらいの気の持ちでいよう.何より使っている側も見ている側も楽しく,エンタメ性がありながらも勝ち筋を強引に作れる技である.

「こうかくレンズ」や重力状況下で使用することも可能ではあるが,持ち物による命中補正は基本気休め,重力に至ってはジュカインが使用できないので,種族統一マルチバトル等で味方に使ってもらう必要があり非現実的である.筆者のおすすめは,「つめとぎ」を使用して攻撃と同時に命中率を上昇させることである. 命中率が1ランク上昇させた場合でも命中率67%と 不安しか残らない値ではあるが,混乱の自傷でターン数を稼ぎ積む時間を確保できれば2ランク目で命中率 83%,3ランク目で100%となる.第3 世代厳選の為,夢特性や,同じく命中不安だが強力な「くさぶえ」との両立が不能であるため注意すること.

●きあいパンチ

「みがわり」「くさぶえ」を始めとした補助技のサポートが必須.その代わり,不一致とはいえ威力が150 もあり,一段階上の火力をたたき出せる.Z技の登場により一度限りだが威力200でデメリットなしで使用することができる.火力としては,攻撃上昇補正でA252 振りのジュカインが「Zきあいパンチ」を使用した場合,HP252振りのレジアイスが確定一発となる.レジアイスの性格が防御上昇補正の場合は乱数1発(50%)となる.

●けたぐり

カビゴンなどの体重の重いポケモン対策に.火力としては,攻撃上昇補正でA252 振り,「こだわりハチマキ」持ちのジュカインの場合,HP252振りのカビゴンが乱数一発(31.3%)となる.「つるぎのまい」を使用した場合は,無補正A252 振りのジュカインでも,防御上昇補正HB252振りの防御特化カビゴンでも確定2発となる.「こだわりハチマキ」と「つるぎのまい」,どちらを採用するかは状況によって使い分けるとよい.

●ドレインパンチ

威力75で与えたダメージの半分だけ回復できる技. そのまま使用するには火力が乏しいので,耐久調整したジュカインが「つるぎのまい」と併用する形が基本となる.HPの回復ができるため,相手の攻撃の確定数を変化させることもできる.積み技に成功したジュカインの生存率の上昇を助ける重要な技である.

●連続技

ジュカインは連続技として「タネマシンガン」「にどげり」「ダブルチョップ」を習得することができる.

特性「がんじょう」や,「きあいのタスキ」「マルチスケイル」「みがわり」「バケのかわ」などの対策として使用することが可能.ヌオーやアバゴーラのような草四倍弱点のポケモンは,「タネマシンガン」の2回目の時点で蒸発するため非常に強力.耐久無振りの相手に対してなら確定一発もとれる.

現実問題として,「マルチスケイル」以外にも優先度が高い先制技の「しんそく」を始めとして非常に厄介なカイリュー,連続技で弱点がつけないミミッキュに対しては事前に別のジュカインでサポートしてあげる体制をとらないと厳しい.

●じならし,がんせきふうじ

相手の素早さの低下を狙う技.後続が確実に素早さで勝ちたいときに使用する.ダメージソースとしては雀の涙ほどになるケースがほとんどだが,それでいい.無効にされやすい地面タイプだが命中が安定している,「じならし」,無効にされにくいが命中95という微妙な数値の「がんせきふうじ」(筆者もよく外す)は状況によって選ぶとよい.

●れんぞくぎり

ロマン技.最大威力160.補助技で居座れる状態を作ってあげないといけないため実戦での運用は難しいが,最大火力は魅力的である.何よりうまく決まった時は最高にロック.

11.2 特殊技考察

●リーフストーム

特攻の2ランクダウンのデメリットがあるものの強力な技.「しろいハーブ」と組み合わせれば「かるわざ」の発動も狙える.相手次第では,「こだわりメガネ」を持っての逃げ撃ちだけで勝てるかもしれない.特性「しんりょく」の性質上,後述するタスキカウンター型との相性が抜群に良い.もちろん草タイプのZワザとして使用するのも良い.

問題点としては,仕留めきれなかった後がジリ貧になること.そして,もう一つ…

よく外れる!とにかく肝心なときに当たらない!第4世代の頃からそれがずっと変わらないのだ!勝ちがほぼ確定の状況!つまりとどめの一撃として放つリーフストームの命中ほど信用できないものだ!まさにワロストーム!肝心なときに外した時の気持ちは

「ウゾダドンドコドーン!」

実際は使いやすい高火力技というのもあり,使用回数が多いためそう感じるだけかも知れない.もちろん,特殊アタッカーとしては第一候補に上がる技である.

●ハードプラント

草御三家専用のロマン技.一撃の火力としては最大のものとなる.攻撃後の反動が致命的ではあるが,「リーフストーム」でギリギリ落とせない相手に対して有効打になり得る.そして何より決まると最高にかっこいい(ここ重要) .

実戦的な動きとしては,「クサZ」での使用を推奨したい.「Zハードプランド」の威力は200.ジュカインが特殊草タイプの技で叩き出せる技としての最大火力になる.「クサZ」を使用後に「ハードプラント」を使用して二匹目を撃破する動きもできる.

バトレボの頃は「イバンのみ」が実装されており,よく「イバンのみ」発動からの「しんりょく」&「ハードプラント」を決めていた.対ジュカイン統一に対して最後に「こだわりスカーフ」を温存されているケースは少なくない.「イバンのみ」発動圏内のジュカインに対して引導を渡すべく出てきた「こだわりスカーフ」持ちのポケモンに対してよく決まる.

ただし,「ハードプラント」も命中率90であることを忘れてはいけない.「リーフストーム」ほどの使用回数は無いが,たまに外す.その時の悲しみからは立ち直れない.嘘だと言ってよバーニィ.

●ギガドレイン

手堅く攻められる特殊技.威力は「リーフストーム」や「エナジーボール」に比べれば控えめ.しかし,堅実さを取るならば間違いなく一番である.ダメージを与えながら回復もできるので、純粋なダメージレースへの打ち勝ち,相手の先制技圏内からの離脱を始め,「ステルスロック」等のタスキ潰しからの復帰など、用途は多彩である.「おおきなねっこ」や「やどりぎのタネ」,「グラスフィールド」のような回復できる技と組み合わせると更に安定感が増す.

具体的に活躍するケースを上げるのであれば、対水タイプのポケモンとの対戦である.相性的には有利だが,氷技と「アクアジェット」のような先制技を組み合わせられると,タイプ相性で有利なはずなのに正面から負けてしまうケースはよくある.HPを回復することで「アクアジェット」の範囲外に逃げることができるので絶大な効果がある.

弱点としては,特性「しんりょく」やジュカイン自身の性質との相性が良いようで悪いということだ。

ジレンマその1

ダメージを回復しすぎて「しんりょく」圏外になってしまう.状況によってはそれが敗因になってしまうケースもあり得る.

ジレンマその2

ジュカインの素早さが高いため,最初の1ターンで先制してしまい「ギガドレイン」による回復ができず,ただ威力が低だけの通常の攻撃技となってしまう.自慢の素早さのせいで「ギガドレイン」の効果を活かしにくいのである.

そのような場合は、仮想敵に合わせてジュカインの素早さを調整するのも面白いだろう.

ジレンマその3

「ギガドレイン」による回復量は、「ギガドレイン」のダメージ、自分や相手のHPの数値にも左右される.つまり,ジュカインの最大HPをわざと低くすれば,その分だけ割合としてのHPの回復量を増やすことができる.しかし,耐久力が高いとはいないジュカインからするとHPを下げること自体が危険な行為とも言える。

他に注意する点を挙げるのであれば,特性「ヘドロえき」の存在である.回復をダメージに変換されてしまうのは恐ろしい.

●エナジーボール

「ギガドレイン」よりも威力が勝る特殊技.相手の特防ダウンが狙える攻撃的な性能がある.手堅さを重視するのであれば検討に値する.

●くさのちかい

草御三家専用技.味方が対応する技を使用可能であるのであれば一気に戦術の幅が広がる.

●ソーラービーム

使用前に1ターン使用してしまうがその後のデメリットが無い威力120の一致技.

パワフルハーブの発動条件を満たせるため軽業との相性が良い.

メタ的な要素が大きいが,にほんばれを習得できる.相手の天候変化に対しての打ち消し,めざめるパワー炎の火力補填などの恩恵もある.

●マジカルリーフ

実は覚える遺伝技.草四倍タイプの種族統一が使う回避率上昇対策に(仮に使用してリアルファイトになっても責任はとらない) .回避比率を上昇させてくる可能性が高いビーダルに対しても有効.

●きあいだま

ワロス玉.以上.で片付ける訳にはいかない.

物理挌闘技が豊富にあるとはいえ,特殊技で不一致120を叩き出せる強力な技.ハガネールや,ボスゴドラのような物理耐久が極端に高いポケモンに対して非常に有効.特防ダウンの追加効果も手伝い,ダメージレースにも打ち勝ちやすい.特殊型のメガジュカインで使用する場合,仮想敵によっては「りゅうのはどう」の代わりに採用するのもあり.

●はかいこうせん

ロマン砲.ジュカイン統一を始めたての頃は「めざめるパワー」の厳選が面倒くさいと思っていたため,ノリと勢いで採用していたのは懐かしい.現実問題として,不一致技のため「こだわりメガネ」で補正をかけてあげないとイマイチ.

ここまではエンタメよりの技という印象が強い.故に警戒されにくいため相手の想定を大きく崩すことができる.反動があるとはいえ,めざめるパワーの2倍抜群より高威力が叩き出せる.

種族統一同士のメタ戦の場合,弱点となるタイプの「めざめるパワー」をギリギリで耐える調整を行うケースも少なくない.

もっと具体的に言ってしまえば,「めざめるパワー」に対応するための半減きのみを発動させず,相手を倒すことができる.バトレボの頃はマタドガスやアーボックに対して有効だったのが懐かしい.

何より意表がつける.の一言で終わってしまうが,それも種族統一の楽しみの一つと教えてくれる技ではないだろうか.

●りゅうのはどう

汎用性の高い特殊技.メガジュカインで使用すると良い火力になる.

●りゅうのいぶき

「りゅうのはどう」に比べて威力が低いため基本的に採用は見送り.追加効果の麻痺に頼る戦い方を強いられた場合に一考してみてはいかがだろうか.

●どろかけ

相手の「きあいのタスキ」潰しと命中率ダウンを狙える.威力は期待できないが勝ち筋を作れる.

低火力故,相手の「じゃくてんほけん」や「みがわり」があると自滅してしまうケースもあるので注意.

●かまいたち

キングドラからの遺伝技で習得可能な技.めったに使われない技なので,相手を驚かせることができる.

急所に当たりやすい特殊技で,「パワフルハーブ」との相性の良さはある.今後の強化に期待.

●めざめるパワー議論

先に結論から言ってしまおう.ジュカイン統一で「めざめるパワー」を使う場合は道具による補正をかけてあげないと採用は厳しい.特に最近の世代になってからその色はより強くなってきている.

要因1 「めざめるパワー」の威力が60固定

この仕様変更があった際に,古参の種族統一ユーザーの一部はダメージを受けたのでは無いだろうか.威力が減ったことで,今まで倒せていた相手が倒せないことが増えてしまった.相手を倒しきるのと,HPが少しだけ残るのは天地の差となってしまう.

要因2 「とつげきチョッキ」の登場

「とつげきチョッキ」は,変化技の使用が不可能になる代わりに,特殊防御を大幅にあげることが可能な道具である.汎用性の高さも手伝い採用率が高く,「めざめるパワー」で弱点をついて突破する戦略にとっては向かい風となる.

要因3 「じゃくてんほけん」を誘ってしまう

仕留めきれない上に,「じゃくてんほけん」の発動を許してしまうと目も当てられない.

そのため,種族統一戦で固定したパーティでの採用は,「めざめるパワー(炎)」が候補に入るぐらいが現実的ではないかという考えである.

実際,USHCにて,「めざめるパワー(炎)」を習得したジュカインを採用したが,使用したのはたったの一回であった(おまけに「めざめるパワー(炎)」でダメージを与えた相手のポケモンは「きあいのタスキ」を持ったカミツルギであったため,その後に返り討ちにあってしまった) .「めざめるパワー」を採用したから対策が完了というわけにはいかないのである.

例として,ジュカイン「めざめるパワー(炎)」でハッサムに対してどこまで対応できるかを考察する.なお,個体値に関しては全てVであると仮定する.

攻撃側のジュカイン

性格:ひかえめ(とくこう上昇補正)

特攻の努力値:252

もちもの:なし

使用する技:「めざめるパワー(炎)」(威力60)

防御側のハッサム

性格:いじっぱり

固体値:全てV

HPの努力値:252

特防の努力値:0

もちもの:なし

上記の構成でダメージ計算を行った場合,ダメージは以下のようになる.

割合:88.1%〜106.2%

回数:乱数1発 (31.3%)

乱数というのが惜しいが悪く無いダメージである.

次に,相手のハッサムがメガストーンを使用し,メガハッサムとなった状態を想定してダメージ計算を行ってみる.

攻撃側のジュカイン

性格:ひかえめ(とくこう上昇補正)

特攻の努力値:252

持ち物:なし

使用する技:「めざめるパワー(炎)」(威力60)

防御側のメガハッサム

性格:いじっぱり

HPの努力値:252

特防の努力値:0

持ち物:ハッサムナイト

上記の構成でダメージ計算を行った場合,ダメージは以下のようになる.

割合:74.5%〜88.1%

回数:確定2発

ダメージ計算の結果から,持ち物なしのジュカインでは,メガハッサムに対応できないことがわかる.

では,「いのちのたま」をジュカインに持たせて,技の威力を補正した状態で,メガハッサムに対するダメージ量を確認してみる.

攻撃側のジュカイン

性格:ひかえめ(とくこう上昇補正)

特攻の努力値:252

持ち物:いのちのたま

使用する技:「めざめるパワー(炎)」(威力60)

防御側のメガハッサム

性格:いじっぱり

HPの努力値:252

特防の努力値:0

持ち物:ハッサムナイト

上記の構成でダメージ計算を行った場合,ダメージは以下のようなになる.

割合: 97.1%〜114.6%

回数: 乱数1発 (81.3%)

これが現実である.持ち物による補正を掛けても確定1発で落とすことができない.

これが普通のシングルバトルなら妥協できる範囲内であるとも考えられるが,想定が種族統一戦であるなら,由々しき問題である.

種族統一戦であるがゆえに,ハッサム側は「めざめるパワー(炎)」対策は万全であると想定する必要がある.

先程のダメージ計算で想定したハッサムが「オッカのみ」を持っていた場合に一撃で沈めるためには,「にほんばれ」状況下で「こだわりメガネ」を持たせて「めざめるパワー(炎)」を浴びせる必要がある.

余談ではあるが,ハッサムと同じく炎が4倍弱点のシュバルゴの場合,「オッカのみ」を持っていると確定で耐えられてしまうのである.

そのような場合は,「めざめるパワー」を軸に変化技を組み合わせて活路を開くしかない.

11.3 変化技考察

●やどりぎのタネ

毎ターン,相手ポケモンのHPの8分の1を削り取り,吸収することができる優秀な技.種族統一戦でも,その優秀さは変わらない.

ハピナスやフワライドのようなHPの実数値が高くなるポケモンにいたっては,1回の「やどりぎのタネ」の回復分で「みがわり」の消費分を補給出来てしまう.極端な話ではあるが,「みがわり」を連打しているだけで勝利できてしまうこともある.

ジュカインは高い素早さにより先制できるケースが多いことも追い風である.イメージとしては殴れるエルフーンというのが適切かもしれない.安定して先制できるため,相手側の「きあいのタスキ」潰し,交代先への牽制,相手の交代の誘発,後続のジュカインのダメージレースを有利に進めさせる等,有効な使い道は挙げきれないレベルである.

「やどりぎのタネ」を解除する方法として「こうそくスピン」が存在するが,技の威力が低いためあまり問題になるケースはないと思われる (次世代で「こうそくスピン」で何かを解除した場合,ダメージを急上昇させる仕様にならないことを祈る) .

また,バトンタッチを相手にされた場合でも「やどりぎのタネ」状態は解除されないため,状況が整ってしまえば,そのまま完封することも夢ではない.

強いて問題点を挙げるなら,草タイプのポケモンや特性「マジックミラー」のポケモンへ通じないこと,命中が魔の90であることである.戦法としては害悪とも呼ばれるジャンルに入るため,友達とリアルファイトにならないよう気をつけよう.

●つるぎのまい

物理型ジュカインを採用するならほぼ必須.ジュカインの物理技は範囲としては非常に広いが,瞬間的な火力が出しにくい.逆に,「つるぎのまい」を使用できれば3タテすら難しくはない.

●つめとぎ

命中と攻撃のランクを同時に上げられる技.

「ばくれつパンチ」や「くさぶえ」との相性はいいが,1回では命中率が安定しないため,最低2回は使用しておきたい.

●みがわり

「やどりぎのタネ」のお供や,体力の調整などで便利な技.連続技や「みがわり」貫通技には注意.

●くさぶえ

困った時の最終兵器その1.

バトレボの時ほどの凶悪さはないが,チャンスを強引に作る技.「ねむりごな」と違い,草タイプのポケモンにも通じ,音技であるため「みがわり」すら貫通する.命中の低さもあるため,一撃技を撃つような感覚で使用をお勧めする.

●グラスフィールド

ジュカインが「グラスフィールド」を習得できることを知らない方も多いのではないだろうか.

「グラスシード」の発動条件を即座に満たせるため「かるわざ」との相性も素晴らしい.

また,「グラスフィールド」の回復によりダメージレースに追加の要素を加えることができる.最大の恩恵は草タイプの技に更にダメージの補正がかかることである.そのため,草タイプの技が等倍以上の相手に対しては高い効果が見込める.

問題点としては,草相手側もその恩恵を受けることをしっかり理解きておくこと.失敗例として,「グラスフィールド」状態で,ヒードランに「じしん」で攻撃を仕掛けたが,「グラスフィールド」の効果で半減されてしまったというギャグのような負け方をしてしまった経験がある.

●なやみのたね

相手ポケモンの特性の打ち消し,「ねむる」の使用阻止用.メタ戦での要素が非常に強い.

●かげぶんしん

困った時の最終兵器その2.

勝てばよかろうなのだぁぁぁ.

●いばる

困った時の最終兵器その3.

対象の攻撃を2段階アップさせてしまうハイリスクハイリターンな技.混乱状態の弱体化により,更に向かい風となっている.

仮に混乱がうまく決まらず,攻撃のランクが上昇している相手ポケモンがいる状態を許してしまった場合のために,後続にタスキカウンター型を仕込んで対処することが多かった.

●メロメロ

性別のあるポケモンに対する優秀な足止め.

種族統一の性質上,また相手トレーナーのこだわりから性別が統一されているケースもある場合は非常に凶悪な一手となる.

●ゆうわく

「メロメロ」と同じく相手ポケモンの性別に依存はするが,特攻2段階ダウンが狙える.

更にZワザで使用した場合,特防が2段階アップを狙えるため,腐りにくくなった.Zワザで使用する場合は「トリック」のようなこだわり系アイテムの押し付けの対策にもなる.

詳しい性能については『5.2 特殊耐久について』のを参照.

●ないしょばなし

「ゆうわく」に比べると物足りなく感じるが,性別に左右されない,積みの起点作りとしては優秀,音技になるため「みがわり」を貫通することもできるという利点がある.

そこから積みの起点にするもよし,「やどりぎのタネ」を軸にして泥沼にするもよし,と使い方はトレーナー次第である.

●ねごと

ねむり対策の一つ.

Z技で使用した場合は急所のランク補正がかかるため,採用率が上昇している.

●ねむる

体力と状態異常を全回復させる技.

ねむり状態を回復させることのできる「カゴのみ」や「ラムのみ」と併用して「かるわざ」の発動を狙うのが良い.

●ほえる

耐久合戦を仕掛けた時に,相手が積み技を持っていた場合の保険として仕込んでおくと安心する.

●どくどく

「やどりぎのタネ」とセットで使用するとより凶悪.Z技で使用した場合は防御が一段階上昇するので,仮想敵によっては面白い.

●みきり

レベルアップで習得する回避技.「ファストガード」が登場するまではジュカインがレベルアップで習得できる唯一の格闘技であった.「まもる」と比べた時の利点としては,「まもる」ほど習得できるポケモンが少ないため,「ふういん」への対策になりやすいことが挙げられる.Zワザで使用した場合は,なんと回避率を上げることができるのも大きい.PPの少なさが玉に瑕.

●まもる

みきりに比べてPPが多いため,安定性を取るならこちらを採用.

●ファストガード

ダブルバトル,マルチバトル用.

素早さが高く,耐久が低いと言う性質上,先制技を誘いやすい.

●こうごうせい

「ねむる」のようなデメリットが存在しない回復技.幸運なことに,資料となるバトルビデオが残っていたので,ここで紹介する.ウルトラサン・ウルトラムーンで行なった種族統一戦の中でもベストバウトだと思っている試合なので,是非ご覧頂けると幸いである.

バトルビデオ:QV6G-WWWW-WWWQ-X3LY

●しんぴのまもり

状態異常対策に.

特に追加効果による毒状態や麻痺状態は勝率を大きく左右してしまう.その保険として使用を検討してみるのも面白い.

●しぜんのちから

変化技のため「ふいうち」の影響を受けないが,ダメージを出せる貴重な技.「グラスフィールド」状況下なら「エナジーボール」の代わりとして使用するのが良い.

●いやなおと

相手の防御を2段階ダウンさせる.

音技なので「みがわり」を貫通するため,次のターンに「タネマシンガン」のような連続技を浴びせるのもあり.相手が防御ダウンを嫌い交代したところに「おいうち」を決めるというコンボもなかなか面白い.

●とぎすます

1ターン費やす代わりに次の技を急所に確実に当てることができる.相手の特殊耐久のランク補正を無視したり,壁を貫通したりするときに使える.

●こうそくいどう

夢特性の実装前の特性「すいすい」「ようりょくそ」の対策技.また,特性「かそく」のポケモンの初手「まもる」のタイミングで使用できれば大きいアドバンテージを取ることができる.詳しくは『3.ジュカインの素早さ』を参照.

●ものまね

教え技.実践で使うのは難しいが無限の可能性を秘めている.

他にも取り上げたい技はあるが,技の紹介に関してはここで筆を置くこととする.

番外編:次世代でジュカインが習得して欲しい技

種族統一を行なっていると「なんでこの技覚えないの?」「〇〇を覚えることができれば」という嘆きはよく聞く話である.もちろん,ジュカインの特性を「ふしぎなまもり」にして欲しいという無茶な願いではない.覚えそうで覚えないことにもどかしさを感じるのである.

そこで,技紹介の番外編として,最後に筆者の妄想を垂れ流そうと思う.

ここから次章までは筆者の妄想なので…

・・・そっ閉じするなら今である.イイね?

もし,ゲームフ〇ークの関係者の方が何かのきっかけでこの本を手に取ってもらえた時,是非ジュカインの技だけでもご検討していただけないだろうか.

ソーラーブレード

「リーフブレード」の強化版みたいな技なので絶対欲しい.「パワフルハーブ」との相性も良し.

厨二心をくすぐられるので,全世界のちびっこにも人気が出ること間違いなし!

ちょうはつ

「トリックルーム」の妨害手段が欲しい.密林の王者だからってそんなにヒロイックでなくてもいいのよ.

りゅうのまい

ジュカインの卵グループは,怪獣・ドラゴンである.これだけでも覚えそうだが,シザリガーやナマズンが「りゅうのまい」を覚えるのにジュカインは覚えられないのは違和感がある.「りゅうのまい」を習得したところで,ジュカインが環境に大きな影響を与えることはないと思うのに何故だろうか.

サイコカッター

エ〇ルレイドさん,「リーフブレード」覚えるのだからこちらにもください.もし習得できたとすると,現在のジュカインはエスパータイプの攻撃技が乏しいため,対毒タイプの技として革命が起こる.

覚えたところで文句は言われないであろう.

クロスポイズン

ポケモンカードでは結構毒に関連する技があるにもかかわらず習得しない.草タイプなのだ,イチイの木の毒とかで設定できないものだろうか.

習得できたとしたらマリルリなどのフェアリータイプに対してのアプローチをかなり変えることができる.

ふいうち

第4世代の教え技になかったことが悲しい.

対ゴーストタイプに対しての先制技があるだけで天地の差といまだに思う.

フェイント

あの素早さなら絶対できるだろ,と言いたくなる.ウルトラサン・ウルトラムーンの追加技で,同じ特性「かるわざ」のルチャブルが習得したのだから,次の世代では是非お願いしたい.

りゅうせいぐん

メガシンカしたらドラゴンタイプが追加されるのだから追加で入れて欲しい.

であいがしら

瞬時に現れて奇襲するジュカインが見たい.

しんそく

強化版「でんこうせっか」.ジュカインなら覚えても何の不思議ではないと少なくとも私は思っている.

ねをはる

ダメージレースのうち勝つため,そして根を張った状態にして積み技を「ほえる」などで流されないようになるのが大きい.

根を張ってしまったらジュカインの機動性が活かせないのでは,と思うかもしれないが,そこは問題ない.

ジュカインの背中の玉から根っこが生え出してそのまま地面へ到達.まるでエヴ○ンゲリオンのアンビリ〇ルケーブルのようでクールではないでしょうか!

ちからをすいとる

「やどりぎのタネ」を覚えるのだから欲しい(暴論).

とびはねる

飛べないトカゲはただのトカゲだ.

あの脚ならとびはねても文句は言われないはず.

12.ジュカイン統一の型紹介

筆者が育成し,使用頻度が多い,または,自慢したいジュカインを紹介する.

①つるぎのまいジュカイン

性格 ようき
特性 かるわざ
持ち物 レッドカード
努力値 H154,A252,S104
リーフブレード くさぶえ
つるぎのまい アクロバット

「かるわざ」と「つるぎのまい」の発動を前提とした型.攻撃を耐えることが前提ではあるが,「つるぎのまい」をしつつ「レッドカード」を発動させ,相手の控えにいる「こだわりスカーフ」持ちや温存しておきたかったフィニッシャーを,攻撃と素早さを増強させたジュカインの前に強引に引っ張り出す.出てきた相手のフィニッシャーを先に処理し,相手の戦術を根幹から崩し3縦を狙う.

「きあいのタスキ」の可能性が高い場合や,相性的にどうしようもない場合でも,「くさぶえ」をギロチン感覚で使用して強引に逆転することも可能.「レッドカード」の消費のしやすさから「アクロバット」を採用している.相手がラスト一匹になった場合や,ジュカインが一撃で倒されてしまう「レッドカード」が発動しないため,運用には一撃で倒されないような状況を整えることが必要である.素早さは最速100族抜きに加えて,「かるわざ」発動時に最速スカーフフェローチェを抜くように調整が施されている.「つるぎのまい」に成功しても火力に不安を感じたことが多いため,攻撃は全振りして残りは耐久へ回している.

別のジュカインの「やどり ぎのたね」の回復を考えると,HPに振らずにBかDに努力値を振って調整するのもありだが,汎用性を考えるとHPに回したほうがベターである(脊髄反射で種族統一をやっていると,こういう所が雑になる).

②なげつけるサポートジュカイン

性格 ようき
特性 かるわざ
持ち物 かえんだま
努力値 H252,S252,残りD
なげつける ないしょばなし
がんせきふうじ やどりぎのたね

サポート特化ジュカイン.後続のジュカインが安定して積み技を使用する状況を整えることや,相手を交代させることを目的とする.「なげつける」道具は「でんきだま」でも可.「かえんだま」を投げつけ,やけど状態にすることによる物理技の半減,特殊型と予想される場合は「ないしょばなし」による特殊技の半減,「やどりぎのたね」による自身および後続への負担軽減,「がんせきふうじ」による相対的な素早さ上昇,交代してくる「こだわりスカーフ」へのけん制を行う工作要員として立ち回る.自身の決定力はほぼ皆無なため,使いどころを誤ってしまうと致命的だが,想定通りに相手の能力値を下げた場合,後続の動きやすさを大きく左右する.

③ カウンタージュカイン

性格 せっかち
特性 しんりょく
持ち物 きあいのタスキ
努力値 C252,S252,A6(BD逆V推奨)
リーフストーム カウンター
がむしゃら でんこうせっか

バトレボ時代から猛威を振るったタスキカウンター型.相手の物理型を強引に突破して活路を開く.

半端な火力の技に対して少しでも「カウンター」のダメージ量を増やすため,特に防御は低いほうが良い.特防も「がむしゃら」のダメージを増やすために低めを推奨する.また,特性「しんりょく」との相性も素晴らしい.「カウンター」のために3世代厳選が必須のため,厳選難易度がやや高めではあるが,特にジュカイン統一を始める際には必須レベルである.

昔話になってしまうが,その強力さ故に,バトレボ時代は常連のリスナーさんや種族統一勢に真っ先にNNを覚えられてしまい「カウンター」が決まらないという現象が起きていた.また,バトレボは技の選択タイミングが相手に伝わるシステムのため,「がむしゃら」と「でんこうせっか」の二択の場合,即決することが重要だった.即決した場合,「でんこうせっか」を選択したと誤認させ,「でんこうせっか」読みの後続に「がむしゃら」を決め,「でんこうせっか」で処理,というのは当時の種族統一勢としては懐かしいのではないだろか.

素早さは最速が推奨,と必ずしも言い切れない.仮想敵に合わせて『特殊技メインの相手に対して「がむしゃら」を決める』という立ち回りも考えられる.例えば,仮想敵を最速ラティオス(S110)に定めて最速アイアント(S109)族と同側に調整する.同速のアイアントは「カウンター」で処理し,ラティオスに対しては「りゅうせいぐん」などを受けて「がむしゃら」「でんこうせっか」で処理.雀の涙ほどではあるが「でんこうせっか」のために攻撃に努力値を回すこともできるので,仮想敵に合わせて調整するのも大いにありだ.

弱点はもちろん「きあいのタスキ」潰しの「ステルスロック」だが,「グラスフィールド」「やどりぎのたね」,「リーフストーム」の代わりに「ギガドレイン」を採用して「きあいのタスキ」の発動条件を再度満たすのも面白い.安定性としては,逃げうちも可能な「リーフストーム」を推奨する.第3 世代厳選のため,「かるわざ」との両立が不能な点が悔やまれる.

④スカーフジュカイン

性格 ようき
特性 しんりょく
持ち物 こだわりスカーフ
努力値 A252,S252,残りH
ばくれつパンチ いわなだれ
じしん がんせきふうじ

相手の厄介な「こだわりスカーフ」を処理する型.どうしようもない状況に立った場合の「いわなだれ」による怯みゲー,「ばくれつパンチ」を見せることによる相手の戦略と腹筋を崩壊させる,という役割がある.相手の「こだわりスカーフ」の無力化という要素が強いため,倒しきれないと判断した場合は「がんせきふうじ」を使用することにより後続への勝ち筋を託す.「ばくれつパンチ」のギャンブル性能が非常に高いうえに,第3 世代厳選が必要になるため,「くさ ぶえ」等の技に切り替えてもよい.一致草技を使用せず,なおかつ夢特性「かるわざ」で運用できる技構成の場合,「はたきおとす」を使用されたことを考え,「かるわざ」にすることをお勧めする.

⑤がむしゃらにものまねジュカイン

性格 せっかち
特性 しんりょく
持ち物 きあいのハチマキ
努力値 H252,S252,残りD(HPが4n以外)
ものまね みがわり
がむしゃら かげぶんしん

またもや3世代厳選が必要なジュカインである.基本的な運用の仕方としては,「みがわり」を繰り返して「がむしゃら」を使用し,相手のHPを「でんこうせっか」圏内に持ち込む,という相打ち狙いの立ち回りを基本とする.チャンスがあればロマンを追い求めるように立ち回ろう.

「みがわり」が残った場合,「かげぶんしん」「ものまね」による相手の技のコピーを行う.『ウルトラスーパーハイパーチャレンジ』では,「ゆびをふる」ピクシー統一に対して「ものまね」で「ゆびをふる」をコピー.ゆびふり合戦を実現した.

そして最大の特徴として,道具に「きあいのハチマ キ」を採用した点が挙げられる.「きあいのハチマキ」の発動次第では無限の勝ち筋がある.「ものまね」を「カウンター」「でんこうせっか」にすれば普通にがむせっかで相打ちに持ち込み,あわよくば「きあいのハチマキ」「かげぶんしん」で回避を行う.

あらゆる状況で勝ち筋を作れる可能性がある,という意味では最凶のジュカインかもしれない.

⑥物理メガジュカイン

性格 ようき
特性 しんりょく
持ち物 ジュカインナイト
努力値 A252,S252,残りH
つるぎのまい じしん
ドレインパンチ げきりん

フィニッシャーとして活躍する物理ジュカイン.

立ち回りは至ってシンプル.隙をついて「つるぎのまい」を使用し,攻撃種族値110,攻撃2ランク上昇の一致「げきりん」で殲滅を狙う.

攻撃に補正がかかる性格だと最速130族よりは遅くなってしまうが,攻撃無補正ガブリアスをわずかに上回る火力が実現する.しかし,130族にはジュカインを殺戮 するために存在しているとしか思えないクロバットが含まれている.クロバットへ一矢報いたいのと,『最速だったら抜けていた』という状況を避けるため「ようき」を採用した.耐久に振っていないとはいえ,炎ポケモンへ強気に出るための「じしん」「いわなだれ」の選択,相手の攻撃の確定数を変えるために「ドレインパンチ」を採用した.

天敵と紹介したクロバットに対しては,攻撃無補正のA252,攻撃2ランク上昇状態のメガジュカインの「げきりん」を使用した場合,H252 振り程度なら確定一発,HB252 振りされている場合でも乱数1発(18.8%)となっている.さすがに防御特化のクロバットは確定2発となってしまうが,素早さで優り,生半可な耐久を許さないところを見るとフィニッシャーとしての性能は素晴らしいといえる.

⑦ハードプラントジュカイン

性格 ひかえめ
特性 しんりょく
持ち物 クサZ
努力値 C252,S252,残りH
ハードプラント みがわり
がむしゃら でんこうせっか

「しんりょく」を発動させて「ハードプラント」で消し飛ばすという最高にロックなジュカイン.バトレボの頃は「イバンのみ」を採用していた(解禁はよ) .

ウルトラスーパーハイパーチャレンジではラストの試合でヌマクロー統一と対峙が実現した.ラスト一匹のヌマクローが「まもる」を使用したところを,「しんりょく」状況下の「Zハードプラント」を使用し,「まもる」を貫通してヌマ クローが蒸発していったという衝撃のラストを招いた.

「しんりょく」を発動させている状態の「Zハードプラント」を特防補正HD252振りのヌマクローが受けた場合,もちろん確定一発(490.3%~ 578.5%)となる.それは「まもる」を貫通するわ…….上記の条件でヌマクローが耐久無振り,かつ,「グラスフィー ルド」が発動しているという条件を追加した場合は確定一発(1166.8%~1373.7%)となり,乱数の幅が大きいが10匹以上のヌマクローが蒸発することになる.

⑧Zゆうわくジュカイン

性格 おだやか
特性 しんりょく
持ち物 ノーマルZ
努力値 H252,D252,残りB
ギガドレイン やどりぎのたね
ゆうわく みがわり

第5世代の頃に,特殊受けだけに特化したジュカインとして,当時は半分ネタ要素で育成した.

しかし,特殊メインの種族統一パに対してはきわめて強力である.さらに第7世代でZ技が登場したことにより,「ゆうわく」に自分の特防のランクを2段階上昇させるという恐ろしい効果が寄付された.「ゆうわく」で相手の特攻が2段階下がり,ジュカインの特防が2段階上昇した場合,特攻上昇補正でC252振りのグレ イシアの「ふぶき」ですら確定4発に抑え込めるでたらめな硬さになる.

メタ的な要素が強い話になるが,種族統一では性別が偏る場合がある.それらのメタとして性別を利用するのも手の一つである.

⑨やどりぎサイクルジュカイン

性格 おくびょう
特性 しんりょく
持ち物 ジュカインナイトor いのちのたま
努力値 C252,S252(好みで調整) ,残りH
ギガドレイン やどりぎのたね
みがわり めざめるパワー(炎)

ランダムマッチで使用する際にオススメするジュカイン.

実は発案者は筆者ではなく,筆者と仲良くして頂いた生主さんである.図々しいかもしれないが,種族統一での使用以外に,普通のランダムマッチで使用する場合でも優秀な型なので,ぜひ本稿で紹介させていただきたい.

「みがわり」「やどりぎのたね」で相手をけん制する.ランダムフリーのような通常対戦の場合は,裏のポケモンと交代をするなどしてダメージレースを有利に進める.「ギガドレイン」と「やどりぎのたね」によりカタログスペック以上の場持ちの良さを発揮し,派手さこそないが高い素早さにより堅実な動きが出来る.「いのちのたま」を持つことにより, H252振りのハッサムを「めざめるパワー(炎)」で確定一発にできる.

パーティとの相談になるが,「めざめるパワー(炎)」は別の特殊技に変更してもよいため応用が利く.メガシンカで上昇した特攻による火力は,「いのちのたま」を持った通常ジュカインよりもほんの僅かに高い.メガ枠が余っているなら入れる のも選択肢に入る.その場合,あえてメガシンカしないことで氷技を耐え,「しんりょく」発動状態の「ギガドレイン」で相手を倒しつつ回復,そこからメガシンカに切り替えるという戦法も可能である.相手に合わせてメガシンカをするかしないかを使い分けると面白い戦い方が出来るかもしれない.

13.おわりに

最低限の内容となり,記載したいこともまだまだあるが,今回はここで一区切りとする.

本稿を執筆するにあたり,再度確認の意味も込めて調べていくと,筆者自身も驚くようなことがたくさん見つかった.本稿を少しでも面白いと感じ,日常の中のスパイスになっていれば幸いである.

参考文献

[1] “ポケモンバトルレボリューション”, 任天堂,http://www.nintendo.co.jp/wii/rpbj/,2006.

[2] 『ポケットモンスターブラック・ホワイト 公式完全ぼうけんクリアガイド』,メディアファクトリー,2010.